群れ
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群れ

1986年11月29日公開
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牧畜を営む大家族のなかで、古い因襲の殻を破ろうとする若い夫婦の姿を描く。判事殺人の容疑で74年以来投獄されていた「路」のユルマズ・ギュネイが、獄中から指示し、それに応えてゼキ・ウクテンが演出を手がける。脚本はギュネイ自身、撮影はイズゼット・アカイ、音楽はズルフュ・リヴァネリ、編集はウズデミル・アルタンが担当。出演はメリケ・デミルアー、タークル・アカンなど。

ストーリー

東トルコ。牧畜を営んでいるヴェイシカン家は、父のハモ(トゥンジェル・クルティズ)が暴君のため、家族はひたすら耐える生活を強いられていた。3人の息子のうち、長男のシヴァン(タールク・アカン)は、対立するハリラン家の娘ベリヴァン(メリケ・デミルアー)と結婚しており、それは、両家の和解のしるしとしての意味もあったのだが、ハモは、かえって彼女を目の敵にした。さらにベリヴァンは子供を3人も死産してしまい、以来、彼女は口をきかなくなってしまった。彼女が病気ではないかと心配するシヴァン。彼はベリヴァンを愛するあまり、家族から孤立するハメになってしまう。待ち続けた羊の買い手からの知らせが届き、ハモは自分の羊の群れ頭を売りさばくため、アンカラまで汽車で運ぶことにした。この仕事は息子たちの助力が必要だった。シヴァンは手伝う条件として、ベリヴァンを同行すること、そして報酬として自分に1万リラ支払うことを要求した。彼は妻を町の医者に連れてゆきたかったのだ。ハモは仕方なく彼の案を受け入れた。ハモが、数頭の羊をチップとして乗組員たちに渡すという慣例を拒んだため、彼らは有害なDDTを運んでいたという事実をハモに伝えなかった。旅の途中で羊の何頭かが死に、また山賊によっても数頭が奪われた。ハモは、これらの不運を、嫁のベリヴァンのせいだと信じ、アンカラに着いた時、ハモはシヴァンに約束通りの金額を払わなかった。衰弱したベリヴァンを背負ってアンカラの町をさまよい歩くシヴァン。ようやく医者のもとに辿り着いたものの、夫の必死の願いにもかかわらず、古い風習に従って医者の前で裸になることを拒んだベリヴァンは翌日死んだ。彼女の死をむしろ喜ぶ父、死体を持ち帰るためのお金を要求したシヴァンは、それを拒まれた。しかも、女の死などたいした意味はないといった羊の商人を、思いあやまって殺してしまった。彼は警察に連れ去られ、もう一人の息子シロもスキをぬすんで姿を消した。ひとり見捨てられたハモは巨大な都市をさまよい歩くのだった。

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作品データ

原題
Suru
製作年
1978年
製作国
トルコ
配給
岩波ホール
初公開日
1986年11月29日
製作会社
ギュネイ・フィルム


[c]キネマ旬報社