ジョン・ハート
John Merrick
鬼才デビッド・リンチの'80年の衝撃作を、ニュープリントで上映。19世紀の英国に実在した異形の青年の悲痛な運命を通し、人間の本質をじっくりとあぶり出す。
※結末の記載を含むものもあります。
19世紀末のロンドン。見世物小屋で“エレファント・マン”と呼ばれる青年ジョンを見た外科医トリーブス。彼はジョンを研究対象にするために病院へ引き取るが、やがて人々の好奇にさらされていく。
John Merrick
Frederick Treves
Mrs. Kendal
Carr Gomm
Mothershead
Bytes
Mrs. Treves
NightPorter
製作
監督、脚本
脚本
脚本
撮影
音楽
編集
美術
衣装デザイン
字幕監修
[c]キネマ旬報社
昔、フィルム上映で観た時より、クリアな印象。
どのくらい4K修復のリマスターが綺麗なのかと観に行ったら、大袈裟かもしれないけど、新作みたいでした。
この画面確認のためだけでも、行ってよかった。
すごいですな、今のリマスター技術は。
ところで、改めての鑑賞で、子どもの頃よりはっきりと「まともな外見だがエレファント・マンを見世物扱いし、笑い、差別する人間の方がよほど怪物だし醜い」と思わせてくれました。
いや、SNSなどで差別やヘイトが横行する今の時代だからこそ、かえってこの作品のテーマが染みたのかもしれません。
デイヴィット・リンチ監督の誰もが知る代表作であり、アカデミー賞に8部門にノミネートされた名作でありますが、実は今まで未見でありました・・・
そして今回、4K修復版として40年ぶりにスクリーンよみがえることになり、ついに劇場で鑑賞することができました!
その感想は、リンチの世界、人の残酷さ、人のやさしさ、感動・・・と一言では言えず、とにかく心に響きました。
名作です!
この名作を4K修復版という高画質、高音響、そして大画面で観ることができて心から良かったです。
二つの目線が強く意識された。一つ目は劇中でエレファント・マンに注がれる視線。もうひとつはその劇を観る我々観客の目線だ。私にはエレファント・マンにひどい仕打ちをする人々のほうがよほど醜悪な見世物に見えた。エレファント・マンは観劇をしたことがない。彼が初て親しくなる友人である舞台女優ケンドール夫人は劇場が世界で一番美しい場所だと言う。美しいものに注がれるのまた視線である。見世物とは我々なのかそれともエレファント・マンなのか。エンターテイメントの原点は人間の残酷性なのか。