アルバート・フィニー
Hercule Poirot
オリエント急行の中で起こった殺人事件をめぐって、それに関わった人間群像の愛憎と名探偵エルキュール・ポワロの活躍を描いたアガサ・クリスティ女史の同名小説の映画化。製作はジョン・ブラボーンとリチャード・グッドウィン、監督は「セルピコ」のシドニー・ルメット、脚本はポール・デーン、撮影はジェフリー・アンスワース、音楽はリチャード・ロドニー・ベネットが各々担当。出演はアルバート・フィニー、ローレン・バコール、マーティン・バルサム、イングリッド・バーグマン、ジャクリーン・ビセット、ジャン・ピエール・カッセル、ショーン・コネリー、ジョン・ギールグッド、ウェンディ・ヒラー、アンソニー・パーキンス、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、レイチェル・ロバーツ、リチャード・ウィドマーク、マイケル・ヨーク、コリン・ブレークリー、デニス・クイリー、ジョージ・クールリスなど。
一九三〇年、ニューヨーク、ロングアイランドに住む大富豪アームストロング家の三歳になる一人娘が誘拐された。二十万ドルという巨額の身代金が犯人に支払われたにもかかわらず、幼児は死体となって発見された。悲報のショックで夫人も亡くなり、アームストロング自身も度重なる不幸にピストル自殺を遂げてしまう。事件後六ヵ月目に犯人が逮捕されたが、莫大な金力とある種の秘密勢力を利用して証拠不十分で釈放されるという結果に終わった。それから五年後。トルコのイスタンブールから、アジアとヨーロッパを結ぶ豪華な大陸横断国際列車オリエント急行が、さまざまな乗客を乗せて、パリ経由カレーに向けて発車しようとしていた。ベルギー人の有名な探偵エルキュール・ポワロ(A・フィニー)も乗客の一人で、ロンドンへの帰途につくところだった。真冬だというのに珍しくオリエント急行の一等寝台車は満員で、偶然出会った古い友人で鉄道会社の重役であるビアンキ(M・バルサム)の取りはからいで、ポワロはようやくコンパートメントで落ちつくことが出来た。やがて列車は、動き出し、三日間の旅が始まった。二日目の深夜、列車は突然スピードをおとした。前夜から降り続いていた雪で線路が埋まり、立往生してしまったのだ。ポワロは周囲の静寂で眼をさました。隣室で人が呻く声を聞いたような気がしたのだ。同時に車掌を呼ぶベルが鋭く廊下に響いた。オリエント急行は雪の中に立往生したまま朝を迎えた。そしてポワロの隣りのコンパートメントにいたアメリカ人の億万長者ラチェット(R・ウィドマーク)が、刃物で身体中を刺されて死んでいるのを下男のベドース(J・ギールガッド)とポワロが発見した。コンパートメントに残された燃えかすの手紙には、五年前に起きたアームストロング誘拐事件に関連する文面が発見された。ポワロはビアンキに依頼され、この事件の解明を引き受けざるをえなかった。そして早速、国籍も身分も異なる同じ一等寝台の車掌と十二人の乗客たちの尋問を始めた。まずはラチェットの秘書ヘクター(A・パーキンス)、さらにこの車輌の車掌のピエール(J・P・カッセル)、ベドーズ、ハバード夫人(L・バコール)、英語教師グレタ・オルソン(I・バーグマン)、ハンガリーの外交官アンドレニ伯爵(M・ヨーク)とその夫人(J・ビセット)、ドラゴミロフ公爵夫人(W・ヒラー)とその召使ヒルデガード・シュミット(R・ロバーツ)、英国軍人アーバスノット大佐(S・コネリー)、メアリー・デベナム(V・レッドグレイブ)、車のセールスマン、フォスカレリ(D・クイリー)、私立探偵と名のるハードマン(C・ブレイクリー)の順だった。尋問していくに従い、ラチェットがアームストロング誘拐事件の真犯人であることが判明した。ポワロの明晰な頭脳で、全く関係のないと思われた十二人の関係性が次々と明らかにされていく。そうしてポワロは、意外な真犯人の名を口にするのだった。
Hercule Poirot
Mrs. Hubbard
Bianchi
Greta Ohlsson
Countess Andrenyi
Pierre Paul Michel
Colonel Arbuthnot
Beddoes
Princess Dragomiroff
Hector Mcqueen
Mary Debenham
Hildegarde Schmidt
Count Andrenyi
Hardman
Doctor Constantine
Foscarelli
監督
脚本
原作
製作
製作
撮影
音楽
字幕監修
[c]キネマ旬報社