さすらい(1957):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
さすらい(1957)
さすらい(1957)
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さすらい(1957)

1959年4月12日公開、102分
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日本初登場のミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。ローマの映画実験センターを出てロッセリーニ、カルネ、デ・サンティス等の作品に協力したことのある彼の、イデオロジカル・ロマンチシズム作品と評された一作である。ポー河流城を舞台にする一知識労働者の物語で、アントニオーニ自身の原案を、アントニオーニ、エンニオ・デ・コンチーニ、エリオ・バルトリーニの三人が共同でシナリオ化している。撮影はジャンニ・ディ・ヴェナンツォ、音楽をジョヴァンニ・フスコが担当している。出演するのは、「肉弾戦車隊」のスティーヴ・コクラン、「マーティ」のベッツィ・ブレアの二人がアメリカから招かれている他、「夏の嵐」のアリダ・ヴァリ、「屋根」のガブリエラ・パロッタ、新人リン・ショウ等。製作フランコ・カンチェリエーリ。

ストーリー

アルド(スティーヴ・コクラン)は、北イタリアの寒村に住む労働者である。彼は近くの精糖工場に勤め、イルマ(アリダ・ヴァリ)という女と同棲して七年になる。二人の間には女の子があるが、イルマはなぜか正式の妻になろうとしなかった。ある日、イルマのもとへ、濠州で働いている夫の死亡通知が届いた。だが彼女の心には、アルドではない別の男への思慕が芽ばえていた。アルドは、イルマの愛情を取りもどそうと努力した。しかし、彼女の心は戻らなかった。ついに彼は娘をつれて家を出た。目的も慰めもない放浪の旅がはじまった。七年前、アルドが愛したことのあるエルヴィア(ベッツィ・ブレア)を訪ねた。だが、イルマが忘れられず、長く居ることは出来なかった。父娘はハイウェイのかたわらにあるガソリン・スタンドまでやって来た。そこには、老父の面倒をみながら、一人でスタンドを切り盛りする若い精力的な女ヴィルジニア(ドリアン・グレイ)がいた。アルドとヴィルジニアは急速に接近し、アルドはガソリン・スタンドになくてはならぬ男になった。しかしヴィルジニアは娘を邪険にするので、アルドは仕方なく娘を一人で故郷に帰した。だが、ここでもアルドはイルマの思い出に心を悩ませた。結局ヴィルジニアの手をふり切ってまた旅に出た。再び放浪生活がはじまった。彼はその日その日を送るにすぎなかった。ある時、彼は河岸の小屋で、無邪気なアンドレーナ(リン・ショウ)という肺病の女に出会った。彼女は、彼と一緒に泥沼のような生活から浮び上ろうとした。しかしアンドレーナが体を売って金を得ていることを知ったアルドは、彼女の元を去っていった。アルドの足は本能的に、自分の村へ向った。そうして彼は真直ぐにイルマの家に行った。そっと家の中を覗くとイルマは、彼の留守中に生んだ赤ん坊に湯を使わせていた。すべては終った。アルドは放心したように、精糖工場の塔に登って行った。眼下にはポー河が延び、田園が果てしなく広がっていた。アルドの姿をみとめたイルマが、彼の後を追って来た。アルドは塔の真下のイルマをみた。彼の眼には涙があふれていた。突然、彼の体が揺れた。アルドの体は地上に落ちた。あたりにイルマの絶叫が響いた。

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作品データ

原題
The Cry
製作年
1957年
製作国
イタリア
配給
イタリフィルム=新外映
初公開日
1959年4月12日
上映時間
102分
製作会社
SPAチネマトグラフィカ


[c]キネマ旬報社