若草の萌えるころ:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
若草の萌えるころ
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若草の萌えるころ

1969年3月19日公開、90分
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フランスの女流作家リュシエンヌ・アモンのオリジナル・ストーリーを、彼女と「オー!」のピエール・ペルグリ、ロベール・アンリコの三人が脚色、ロベール・アンリコが監督した青春抒情篇。撮影のジャン・ボフティ、音楽のフランソワ・ド・ルーベは共に「オー!」のチーム。出演は、「オー!」のジョアンナ・シムカス、「戦争は終った」の新星ジョゼ・マリア・フロタス、「若者のすべて」のギリシャの名女優カティーナ・パクシー、「太陽のならず者」のシュザンヌ・フロンほか。製作はルネ・ピニエール、ジェラール・ベイトー。

ストーリー

アニー(J・シムカス)にとってジタ伯母さん(K・パクシー)は、実の母のイベットよりも親しく、そしてやさしい存在だった。父はスペイン戦争の闘士だったが、アニーが二歳の時、消息をたち、以後、女ばかり三人で暮している。そのジタ伯母さんが倒れた。かけつけた医師ベルナールは回復はむずかしいという。翌日になっても、伯母さんの意識は回復しない。--あんなに私を愛してくれた、ジタ伯母さんが死んでしまうかも知れない--アニーは眠れなかった。そして、眠れぬままに、夜の街にさまよい出た。初めて、一人歩くパリの夜の裏街はまるで別世界のよう。やがてチェロをかついで行く青年の後を、意味もなくついて行く。そして若者たちの集まる酒場へ入って行った。そのチェロの青年は、シモン(J・M・フロタス)といい、モデル・カーのレースに夢中。再び彼女は街にとび出した。そこで出逢った浮浪者のような男。彼は、のら猫を追いまわしている。ジタ伯母さんの死を前にしたアニーにとっては、猫一匹殺すことも許せない。悲鳴をあげるアニー。そして、浮浪者ともども警察に保護されてしまった。その浮浪者はスペイン人だった。自分の父も自由スペインのために身をていした闘士。何か心の通うものがあった。やがてベルナールが身柄を引きうけにやってきた。そして彼女を慰めようとナイトクラブにつれて行く。そこで、先の酒場で知りあった黒人青年と、ピレネー山地の羊飼いボニーと再会。アニーはボニーに送られて家へ。彼には心惹かれるものがあったが何事もなく別れた。しかし彼女は家の中に入ることが出来ない。また一人で街へそして再びチェロを持った青年シモンと出逢った。彼の車で郊外へ。夜が白々と明けてくる。一度は、シモンから逃げだしたアニーだったが道の真ん中で、チェロを弾いて待ち伏せている彼の姿に、何故か彼女は感動する。そして二人は、かつてアニーたち一家が住んでいた郊外の邸へ行ってみた。住む人もなく、荒れはてていたが、アニーはそこに無限の幸福の幻影をみる。元気だった、ジタ伯母さん!翌朝目がさめるとアニーはシモンの下宿のベッドに横たわっていた。彼を起こさないように、そっと身支度をするアニー。家にもどった時、ジタ伯母さんは死んでいた。アニーが、初めての愛の一夜を過したその同じ夜、ジタ伯母さんは息をひきとったのだ。アニーは再び幻影をみる。それはまだ幼い日の頃、邸の庭で遊ぶ自分とジタ伯母さんの姿だった。まるで、かくれんぼのように姿を消してしまった伯母さん。“ジタ、ジタ”と探し求める、幼い日のアニーの声が聞えてくる。

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作品データ

原題
Tante Zita
製作年
1968年
製作国
フランス
配給
ユニヴァーサル
初公開日
1969年3月19日
上映時間
90分
製作会社
S・N・C


[c]キネマ旬報社