生ける仮面:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
生ける仮面
生ける仮面
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生ける仮面

1926年公開
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「生けるパスカル」の作者として映画界にも馴染みとなっているイタリアの劇作家ルイジ・ピランデルロ氏の戯曲『エンリコ四世』を映画化したもので、古くは「処女時代」「前途洋々」の監督者として知られ近くは「ポンペイ最後の日(1926)」をカルミネ・ガローネ氏と共同で監督したアムレート・パレルミ氏が脚色兼監督の任に当たったものである。主役ヘンリー四世に扮するのは「笑う男」「或る男の過去」のコンラート・ファイト氏で、それを助けて「プラーグの大学生(1926)」「ナポレオン」のアグネス・エステルハツィ伯爵夫人、「白孔雀」のロベルト・ショルツ氏、ヘルマン・ヴァレンティン氏、アンジェロ・フェラーリ氏、オレステ・ビランチア氏、等が出演している。(無声)

ストーリー

南欧フィレンツェの春のこと、中世を熱愛するファヴァーリ伯爵は謝肉祭に馬上仮装会を催した。かつてから伯爵が恋を捧げていた隣の荘園に住む若き未亡人スピーナ伯爵夫人がスカナのマチルデ侯爵大人に仮装するというので、彼がヘンリー四世に仮装して一日心ゆくまで野外劇を演じようと言い出したのは、終日をスピーナ伯爵夫人と共にする機会を得たい為であった。その当日、伯爵の恋仇ベルクレディ男爵は馬上を行く伯爵の背後から鞍下を剣を揮って血の出る程に突き刺した。ために馬は狂って伯爵を振り落とした。それ以来というものは伯爵は気が狂い、一時的であるべき筈の芸事に凝るという執着が固定的になって、ヘンリー四世狂とまでなってしまった。そして住居から身の廻りから全部のものを自分の幻想通りに作り直した。所が、二十余年を過ぎた或夜、彼は正気にと立ち返ったのである。そして彼は再び現実を眺めた。スピーナ伯爵夫人は精神病の医師を頼んで伯爵の回復に心を砕いていてくれたのであるし、また召使達は彼の病勢を案じていたのであった。が、彼はそれに感謝するよりも尚狂人になり続けて恋仇に復讐する事を考えたのである。伯爵家の召使頭ジォヴァンニは末からハムレット役者を連れて来て、伯爵の相手をさせるが、この役者は伯爵から玩具にされて追い返される。しかもなお一同は伯爵を正気に返そうと心を砕いていたのであった。その中に、彼は怨敵ベルクレディ男爵がスピーナ伯爵夫人の娘に言い寄るのを見て復讐の念はなお増して行った。精神病の医者が彼を癒そうとしてやって来た日、彼は突然叫びをあげた。『俺はすっかり快癒っているのだ。俺は白くなった頭髪と同じく、粉微塵にされた俺の生涯を見た。俺は生活しないで年をとって来た。今の俺に残された唯一の事は、狂人の真似を仕続け事だ。そうして俺にこの惨めな打撃を与えた奴等に復讐してやる事だ。』言い終わらぬ中に伯爵はベルクレディ男爵を刺した。『俺は貴様に第二の人の生涯を破滅させはせぬぞ。』これが伯爵の叫びであった。

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作品データ

原題
Die Flucht in die Nacht
製作年
1926年
製作国
ドイツ
配給
南欧映画社
初公開日
1926年
製作会社
ネロ


[c]キネマ旬報社