パンドラの箱(1929):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
パンドラの箱(1929)
パンドラの箱(1929)
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パンドラの箱(1929)

1929年公開、132分、サスペンス・ミステリー
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ドイツ文豪フランク・ヴェデキンド氏の世界的名作『ルル』を「ジャンヌ・ネイの愛」「心の不思議」のG・W・パブスト氏が現代風にアレンジして演出したもの、主役ルルにはアメリカより渡欧したルイズ・ブルックス嬢が扮し、助演者としてドイツ劇壇の名優フリッツ・コルトナー氏、フランツ・ホフマン・レーデラー氏、フランスより参加したアリス・ロバーツ嬢等が出演している。撮影は「プラーグの大学生(1926)」のギュンター・クランプ氏が担任している。(無声)

ストーリー

誰が父だか、誰が母だか、ルルはそれを知らなかった。物心を覚えた時ルルには一人の養父がつきまとい、暮らす所は酒場か踊り場に限られていた。そうしたルルがどういう成長をしたか。物語はルルがある大新聞の主筆シェーン博士の寵い者となっているところから始まる。シェーン博士は名家の令嬢と婚約が成立したのでルルに別れ話を持ち出す。ルルはそれを承知せず別れる位なら自分を殺してくれと駄々をこねる。博士はルルの魅力にためらい決断がつかない中にうまうまとルルの術中に陥りどうしても結婚しなければならないような羽目に陥る。遂に博士とルルとの結婚式が挙げられる。しかし世評の悪いこととルルにうるさくつき纏う男達に博士はつくづく愛想をつかし自分の名誉を保つためにルルに自殺をすすめる。が、ルルはかえって博士を射殺し捕らえられる。ルルを取巻く養父、博士の秘書アルヴァ、ルルを恋する「女」、力業の芸人等これを知って共謀しルルを裁判所から逃走させ、とある港に隠れ住み、日夜賭博にひたり放縦無頼の生活を送る。侯爵と名乗る悪漢はルルの前科を探りこれを以て脅迫しルルをエジプト人に売ろうとする。この事件が中心となってルルの同志に裏切り争いが起こり警官隊の追跡となりルルは進退極まって男に変装しアルヴァと養父とともにロンドンへ高飛びする。ロンドンの生活は困苦そのものであり食べるパンもなく着る夜具さえもなく雨漏りの屋根裏に寵って悲劇の訪れを無為に待っている。遂に決心したルルは生活のために自らを売るために街に出る。これを怒るがどうにも手段のないアルヴァ、これを喜ぶ狡猾な養父、外は霧の深くたれこめたクリスマスの夜である。ルルは一人の男の手を取って家へ連れこむ。ところがその男こそは当時ロンドン市街を恐怖にさせていた殺人鬼ジャック・ザ・リッパーで、ルルはその男のために殺される。あまりの運命の転変に茫然自失しているアルヴァは通りかかる救世軍の列についてそれに救いを求めトホトボと霧の街の中に吸い込まれるように消えていく。

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作品データ

原題
Die Buchse der Pandora
製作年
1929年
製作国
ドイツ
配給
中央映画社
初公開日
1929年
上映時間
132分
製作会社
ネロ
ジャンル
サスペンス・ミステリー


[c]キネマ旬報社