二つの世界:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
二つの世界
二つの世界
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二つの世界

1930年公開
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「泣き笑ひの人生」「ピカデリィ」のE・A・デュポンが「ムーラン・ルージュ」「ピカデリィ」と同じくBIPで製作した映画で自ら組立てたストーリーに基いて監督し、脚色及び台詞はマイルス・メールスンがあたった。主なる出演者はC・M・ハラード、ジョン・ロングデン、ランドル・エアトン、ノラ・ベアリング、ドナルド・カルスロップ、ジャック・トレヴァー、コンスタンス・カーペンターなどである。

ストーリー

オーストリア、ロシア間に戦端が開かれつつある頃、戦線に近いポーランドの一小都会にオーストリア軍が敵の襲来に備えて守備を固くしていた。此の町には数多くのユダヤ人が住んでいたが、その一人にシモンという時計屋がいた。老シモンは踰越祭の挨拶に息子のナタンを町はずれの祖母の家へやったところ折柄の暴動騒ぎでナタンはオーストリア軍兵士の弾丸にあたって死んで了ったので彼は軍隊を指揮していたオーストリア軍士官スタニスラウス中尉を責任者として詰問した。その結果、種族、階級の差からシモンはオーストリア軍の営倉内に拘留され憤怒の日を送らねばならなかった。スタニスラウス中尉は老人に同情しながらもその後転任した情報係の仕事に従っていたが、以前から馴染みの女優ミッチイに揶揄され、急に自分のやっている仕事が馬鹿馬鹿しくなって遂いに彼女と連れ立って町はずれのホテルに遊びに出かけてしまう。然るに翌朝目覚めるとミッチイがいないばかりか町はロシア軍の手に落ちている。驚いたスタニスラウスは急遽馬にまたがり町を脱出しようとしがロシア軍の士官に発見され、敵を仆した時は自分も重傷を負っていた。漸くのことにシモンの家まで辿りついた時、兼ねて知り合っていたシモンの娘エステルに救われ一まず匿まわれることになった。屈辱と悲しみに苛まれながらシモンが家に帰れば憎悪の相手スタニスラウスを娘がいたわっている。狂気の如くシモンは彼を追出そうとするがエステルの願いで一応ロシア軍から隠してやる。かくするうちにエステルとスタニスラウスの間に恋が芽生えたが二人の間には社会的に越え切れない距離があった。娘を何物より愛しているシモンはスタニスラウスに手を引くことを要求するが拒けられたので友人メンデルのすすめに従い彼の隠れている旨の書をロシア軍司令官に届ける。だが司令官がその書面を開かぬ間に町は再びオーストリア軍の手に帰し軍隊はもとの宿舎に入る。スタニスラウスと父の大佐とは再会する。彼は直ちに父に老シモンの娘と結婚する決心を告げたが此の時、大佐はロシア軍司令官に送ったシモンの書を発見し、二度とエステルと会わぬと誓わぬ限りシモンを銃殺すると言明する。かくて二つの異った世界から脱け出て愛し合おうとした男女は固い因襲の絆によって再び元の別々な世界に引き戻されねばならなかった。別離の涙にかきくれるエステル、それを後にしてスタニスラウスは行進を開始した軍隊の人となったのであった。

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作品データ

原題
TWO WORLDS
製作年
1930年
製作国
イギリス
配給
清水洋行
初公開日
1930年
製作会社
BIP


[c]キネマ旬報社