巷の子:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
巷の子
巷の子
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巷の子

1933年公開
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「人生の謳歌」の脚色に当り、またG・W・パプストの助監督を勤めていたヴィクトル・トリヴァスが一本立となって二回目の監督作品で、J・H・ロスニー作の小説をトリヴァスが「ドン・キホーテ(1933)」の台詞を書いたアレクサンドル・アルヌーと共同脚色し、台詞はアルヌーが著名な劇作家アンリ・デュヴェルノアと協力して執筆している。撮影は「吸血鬼」「ミス・ヨーロッパ」のルドルフ・マテとルイ・ネが当り、作曲は「クウレ・ワムペ」のハンス・アイスラーが、セットは「ドン・キホーテ(1933)」のアンドレ・アンドレイエフが夫々担当した。主演者は舞台の新人ジャン・ピエール・オーモン及びマドレーヌ・オーズレー、「熱沙の女王」「西部戦線一九一八年」のウラジミール・ソコロフで、「吼えろ!ヴォルガ」のマルセル・ジャン・ウォルムス、リュシアン・パリ、ポーレット・デュボー、ウムベール、ピエール・リュガン等が助演している。

ストーリー

ジャックは優しい母や兄モーリスの心配をよそに今では不良仲間の顔ききだった。一味の根城は古道具屋のシュラムプ親爺の物置きだった。団長の「葉巻」はシュラムプの娘ロザリーに思召しがあったが彼女はジャックを好ましく思っていた。巴里見物オートイユの競馬に団員総出で有金全部を賭けたがその結果はジャック側の大勝ちとなり、負けた「葉巻」は腕力によりジャックを倒そうとしたが逆に散々な目にあった。翌晩皆でロザリーの誕生日を祝っている時、別の不良団を率いた「葉巻」がジャックを襲った。数刻の後、急を聞きつけて警官隊が駆けつけた時は敵も味方も綺麗に引上げた後だった。併しこの乱闘でジャックは重傷を負い蔭れ家でロザリーの手厚い看護を受けていた。そこへ弟の身を気づかってモーリスが訪れた。ロザリーはジャックを正しい道に引きもどすことを引受けた。併しジャックはロザリーの心をよそに仲間の荒事師ゴビッシュ等と郊外の淋しい屋敷に老婆が娘と暮しているのを襲う計画だった。彼は娘を誘惑して一味の者を邸へ引入れる役なのだ。いよいよ決行の夜ロザリーは漸くジャックの大それた所業を知った。か弱い自分ではどうする事も出来ないので彼女はモーリスの許へ父親を知らせにやったが、父は泥酔して役に立たなかった。この頃ジャックは彼等の仕事が見事に失敗して警官に追われていた。或朝セーヌの河岸に一夜を明かしたジャックはそこで忽然と新しい世界を見た。河面を吹く力強い汽笛と共に次第に活気づいて行く壮大な労働の姿!今迄の自分の間違った行を翻然と悟ったジャックは何時とはなしに吾が家の方へ歩みを移していた。しかし警官の追跡の手はゆるまない彼の家は忽ち包囲された。母の前で捕えられたくない彼は屋根伝いに遁れ、吾が家を遠くはなれて警官の手に捕えられた。牢獄の幾日は過ぎて裁きの日は来た。彼の母はこの子に罪はありません、彼を罪にまで導かしめた責任者である私を罰して下さいと願った。母の願は遂に聴き入れられた。そして輝かしい或る朝、暗い過去を牢獄に残し、ジャックは自己の新生涯の第一歩を勇ましく踏み出したのである。

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作品データ

原題
DANS LES RUES
製作年
1933年
製作国
フランス
配給
東和商事
初公開日
1933年
製作会社
SIC


[c]キネマ旬報社