ソレルと其の子(1933):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ソレルと其の子(1933)
ソレルと其の子(1933)
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ソレルと其の子(1933)

1933年公開
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かつてサイレント時代に米国ユナイテッド・アーチスツが映画化したウォーウィック・ディーピング作の小説のトーキー化で、同じくH・B・ワーナーが主役を勤める。監督に当ったのは「ジャズは踊る」のジャック・レイモンドで、脚色はリディア・ヘイワード女史、撮影はシリル・ブリストウの担当である。助演者は「南欧横断列車510」のヒュー・ウィリアムズ、少年俳優ピーター・ペンローズ、「社長様のお出で」のマーゴット・グラハム、舞台からの新人ウィニフレッド・ショター、「南欧横断列車510」のドナルド・カルスロップ、イヴリン・ロバーツ等である。

ストーリー

若い退役士官のスチーブン・ソレルは恋人のドラと永久の愛を誓って結婚したが楽しかるべきその新婚生活を支えるソレルの職業が容易に見付からないのであった。靴底をすり減らしながら職を求めて街頭を右往左往する日が毎日続き、それが永久に続くかにも見えた。やがて二人の間に男の子が生まれて、キットと名付けた。しかし依然としてソレルには定まった職業が与えられず、目当てのない苦しい生活の中に、ドラは次第に夫に対する信頼と愛情を失って行った。そして遂に或る日彼女は幼いキットを夫と共に捨て去ってしまったのだった。ソレルには一層に苦難の日々がやって来た。しかし彼は一子キットの成育を唯一の希望にして、自分の生涯はその踏み台にして悔いない決心をもって、或るホテルの下僕に身を落し、横暴で淫蕩な女将の下であらゆる屈辱と骨肉をけずる様な労働に耐えていた。やがてしかしローランドと言う一紳士の知遇を受けて、この男が新しく開いた「ペリカン」と言うホテルに番頭として働く事になり、キットをも或る私塾へ入学させる事が出来た。ここに於ても、世の荒波は色々に姿を変え彼の身辺を脅かすのであったが、彼は唯黙々として働いていたのであった。その姿は次第に主人ローランドの信頼を増し、番頭頭から遂にホテルの支配人にまで抜擢されることになった。しかも一時不況に陥っていた「ペリカンホテル」も有名な映画スターのエセル及びデューガンが秘密結婚をしてその新婚旅行の宿にこのホテルを選んだことから、その名を世間に知られるようになった。そしてエセルが自動車事故で傷つき著名な外科医オレンジ博士の手当を受けてこのホテルに療養していた事から、少年キットに将来外科医として立とうとする固い希望が芽生えたのであった。ソレルはキットのこの希望を成就させてやるためにさらにあらゆる犠牲を払うことを惜しまなかった。そればかりではなく、キットがロンドンの勉学生活中に知り合った若い女流作家モリイとの恋愛にもよき理解者であり、又富める未亡人となって、初め捨て去った子供キットの愛情をソレルと分つことを主張して前妻のドラが現われた場合にも、彼は静かにそれをキットの自由意志にまかせたのであった。ソレルに勝利の朝がやって来た。キットはオレンジ博士門下の逸材として優等賞を獲ち得たばかりでなくその初めての大手術にも成功を納めてその洋々たる前途を約束された。さらにモリイとの結婚が成立してその楽しい新婚の旅へ出発して行った。しかしこれは既にソレルにとって最後の喜びであった。永い間の無理な勤労生活はソレルの身体をすっかり蝕み尽くしていた。突然旅先から呼び戻されたキットとモリイに看取られながら、ソレルは静かに永久の眠りに就いたのであった。

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作品データ

原題
SORRELL AND SON
製作年
1933年
製作国
イギリス
配給
UA
初公開日
1933年
製作会社
ブリティッシュ・アンド・ドミニオンズ


[c]キネマ旬報社