南の誘惑(1937):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
南の誘惑(1937)
南の誘惑(1937)
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南の誘惑(1937)

1937年公開、98分
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スウェーデンの歌劇壇で人気の高かったツァラー・レアンダーが主演する映画で、「第九交響楽」「思い出の曲」のデトレフ・ジールクが監督に当たったもの。脚本は「ジャンダーク」「モスコーの夜は更けて」のゲルハルト・メンツェルの書きおろしである。音楽はロタール・ブリューネ、撮影は「思い出の曲」のフランツ・ヴィマイル、がそれぞれ担当した。レアンダを助けて本邦には新顔のフェルディナンド・マリアン、カール・マルテルを始め、「ひめごと」のユリア・セルダ、パウル・ビルト、「マヅルカ」のエドウィン・ユルゲンセン等舞台畑の人々が出演している。

ストーリー

スウェーデンの娘アストレーは伯母のアナに連れられて、キューバの西にある熱帯の島プエルト・リコに旅をした。陰鬱な故郷ストックホルムに引きかえ、明るく美しく、魅惑的なハバネラの曲が流れるこの島は、若いアストレーには楽園のように思われた。しかしアナにとっては、ここは汚らしい野蛮な暑熱の土地にすぎない。伯母は一日も早く北の故郷へ帰る日を待っていた。出発を明日に控えた日のこと、アストレーは島の闘牛士が危うく猛牛に殺されようとした時、颯爽とそれを助けたドン・ペドロを見た。島の豪族であるドン・ペドロの勇姿は、たちまちアストレーの心を捕らえ、次の日彼女は出発間際の船を飛び降りてドン・ペドロの胸に抱かれた。それから十年の月日が経った。ストックホルムではアストレーの幼馴染スヴェン・ナーゲル博士がアナと彼女の噂をしていた。博士はプエルト・リコに恐るべき熱病が蔓延しつつあるので、島へ渡って病原菌を発見する為に旅行の準備をしていた。十年前にアストレーに秘かな愛情を捧げていた博士は、島で幸福に暮らしているという彼女に会うのも一つの喜びであった。けれどもアストレーの結婚は決して幸せではなかった。短い陶酔の時が過ぎると、ドン・ペドロは彼女を奴隷のように扱った。そして一年中灼きつくような太陽や周期的に襲って来る熱風は、なおさら彼女を苦しめた。彼女は九歳になる息子ファンの為に、雪に埋もれた故郷の童謡を歌って聞かすのだった。博士は島へ到くと、頑迷な島民の妨害と闘って遂に熱病の血清を得ることに成功したが、ドン・ペドロの邸でアストレーに対面した時、幸福を装う彼女の眼差しに深い不幸の隠れているのを見ると、再び押さえていた愛情が湧いて来るのだった。ドン・ペドロは若い医師と妻が親しげに語る様を、嫉妬と憎悪をもって眺めていたが、遂に彼も熱病に襲われて卒倒した。しかも博士が苦心の末に発見した血清はドン・ペドロの部下によって破棄されていた。手当ての施しようもなく、ドン・ペドロは死んで行った。そして北の故郷へ向かう船の中に愛児を連れたアストレーは、ナーゲル博士と一緒に乗っていた。輝く太陽の中に島は姿を没し、ハバネラの曲は微かに消えて行く。

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作品データ

原題
La Habanera
製作年
1937年
製作国
ドイツ
配給
東和商事
初公開日
1937年
上映時間
98分
製作会社
ウーファ


[c]キネマ旬報社