最後の一兵まで(1937):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
最後の一兵まで(1937)
最後の一兵まで(1937)
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最後の一兵まで(1937)

1940年2月8日公開、82分、戦争
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「スパイ戦線を衝く」と同じくカール・リッターが製作・監督した映画で、一九一八年春のドイツ軍の攻勢作戦“ミヒャエル計劃”を脚色した戯曲を映画化したもの。脚本は監督者リッターが主演者の一人マティア・ヴィーマン及びヒルデブラントと協力して、原戯曲及びハンス・フリッツ・フォン・ツウェールの助言によって執筆した。なお撮影は「スパイ戦線を衝く」のギュンター・アンデルス、音楽は「朝やけ」のヘルバート・ヴィントがそれぞれ担当している。出演者は「魂を失える男」「黒衣の処女」のマチアス・ヴィーマン、「ジャンダーク」のハインリヒ・ゲオルゲを始め、「スパイ戦線を衝く」のヴィリー・ビルゲル、「猫橋」のハンネス・シュテルツァー及びオットー・ヴェルニッケ、パウル・オットー等殆ど男優のみである。

ストーリー

ドイツは一九一八年の総攻撃によって戦局を一気に決定せんとし、参謀本部は数ケ月に亘って準備を進め、その総攻撃作戦を「ミヒャエル計画」と呼んだ。二月二五日の夕方、ドイツ六十九軍団の歩兵は五日に亘る突撃の後、兵力六割を失いながらイギリス軍の陣地へ肉迫していた。イギリス軍は優勢な兵力を有し、一九一六年に完成した迷宮陣地に拠っていた。ハッセンカンプ少尉の率いる偵察隊は、迷宮前方の集落ボールヴォアルを占領した。午後六時に司令官を始め、ヘゲナウ中佐、参謀リンデン少佐及び、ノアック、フォン・グロートの両大尉からなる司令部が附近に到着した。リンデン少佐の作戦は、明朝六時を期して三十七突撃大隊を先頭に、迷宮への総攻撃を敢行する。それには重砲二門が今夜中に到着しなければならぬ。イギリス軍捕虜の口から、敵は新鋭部隊をもって襲撃を策してる事が判ってるにも拘らず、総司令部の使者として到着したシェルテンベルグ少佐は、重砲は他の方面で必要ゆえ此陣地へは到着しないと告げて去った。リンデン少佐は自ら突撃部隊の指揮を委ねられん事を志願したが、司令官は許可しなかった。夜、三十七突撃大隊が前線へ出発したが間もなく隊長ヒル大尉は重傷を負って後送される。かくて遂にリンデン少佐は突撃大隊の隊長として第一線に立つ事になり、彼は一箇中隊を率いてボールヴォアルに到着した。イギリス軍の戦車隊はこの集落を包囲した。かくてドイツ軍はこの陣地を砲撃すれば、リンデンとその部下まで犠牲に供さねばならぬ。敵の包囲を破ったドイツの戦車が一台、リンデンを脱出させるためこの集落へ這入って来たが、彼は部下と共に飽くまでここへ踏留る事を主張して帰らなかった。間もなく司令部へ少佐から伝書鳩によって報告書が届けられた「ボールヴォアルを砲撃せよ。それによって迷宮陣地は陥る」。少佐は自分達が味方の砲火で粉砕する覚悟を決めたのだ。司令官は涙を飲んでリンデンの作戦通りに命令した。猛烈な激戦が展開され、ドイツ軍の戦況が有利となった時、最後に生残った少尉からリンデンの戦死を告げた伝書鳩が司令部へ到いた。味方はボールヴォアルを過ぎて迷宮へ突進して行く。その陣地も間もなく陥落するであろう。愛する部下を失った司令官は、「我々の価値は勝利の大きさでなく、犠牲の深さによって量られるのだ」と呟くように言うのだった。

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作品データ

原題
Unternehmen Michael
製作年
1937年
製作国
ドイツ
配給
東和商事
初公開日
1940年2月8日
上映時間
82分
製作会社
ウーファ
ジャンル
戦争


[c]キネマ旬報社