スペードの女王:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
スペードの女王
スペードの女王
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スペードの女王

1950年6月20日公開、0分
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プーシキンの名高い短編小説の映画化で、「誘惑の港」のロドニー・アクランドがアーサー・ボイスと協力脚色し、英国映画界中堅的地位にあるソロルド・ディッキンソンが監督に当り、「誘惑の港」と同じくオットー・ヘラーが撮影に当り、「乱闘街」のジョルジュ・オーリックが作曲したアナトール・デ・グルンワルト作品である。主演者は「赤い靴」のアントン・ウォルブルックと、映画初出演の八十歳の舞台女優エディス・エヴァンスで、同じく映画初出演の舞台女優イヴォンヌ・ミッチェル、「僞れる結婚」のロナルド・ハワード、メアリー・ジェロルド、アンソニー・ドーソン、ポーリン・テナント等が助演する。なおエヴァンス、テナント両嬢のコスチュームとセットは著名なデザイナーのオリヴァー・メッセルがデザインした。

ストーリー

一八〇六年、聖ペテルスブルグの社交界では賭博熱が狂おしいくらいに高まっていた。カードの「ファーロー」に、一夜で資産をなげうって自殺する男女も珍らしくなかった。その中にただ一人、貧乏大尉のヘルマン・スヴォリンだけは賭博に手を出さなかった。彼は一文の金も惜しんで貯蓄し、それを栄達の道具にしようと深く決意している男だった。しかしスヴォリンはよく賭博場へ出かけ、黙ってファローのカードが切られるのを見詰めた。或日彼はゆくりなくもラネウスカヤ伯爵夫人という老未亡人が、魂を悪魔に売ってカードに勝つ術を授かっている、ということを知った。人に尋ねて伯爵夫人が存命で、孤独に暮していることが分ると、老婆がそんな秘術を一人占めしていても何にもならぬ、自分に教えてくれれば役に立つではないかと、スヴォリンは考えた。彼は伯爵夫人の若い侍女リザヴェタに近付き、彼女の歓心を得た。スヴォリンに愛されていると思ったリザヴェタは、大尉を伯爵夫人邸に引入れることを承知した。その夜は伯爵夫人が舞踏会に招かれ、侍女を連れて出かけたのだった。スヴォリンは伯爵夫人の部屋に忍び込んだ。帰宅した老夫人が寝支度をしていると、スヴォリンは姿を現わして、カード必勝の秘術伝授を乞うた。拒絶された彼が脅すつもりでピストルを突付けると、老夫人は驚きの余りに死んでしまった。スヴォリンはリザヴェタにこの事を知らせた。そして彼女に対する愛は誠の愛ではない事も告白した。リザヴェタは心を傷つけられ、かねて彼女に想を寄せるアンドレイの愛を受入れた。スヴォリンは寝もやらず物思いに耽っていると、老夫人の声が聞え、リザヴェタと結婚する事を條件に、秘術を教えた。スヴォリンは求婚したが、勿論リザヴェタは拒絶した。それでもスヴォリンは教わった術を宝の持腐れにはしなかった。彼は全財産を賭けてファローの勝負をした。彼の札はスペードの一、勝ったと思った瞬間、それはスペードの女王だった。伯爵夫人の顔をしたスペードの女王だ。全財産を失ったスヴォリンは魂をも失って、狂人となり果てたのであった。

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作品データ

原題
The Queen of Spades
製作年
1948年
製作国
イギリス
配給
BCFC=NCC
初公開日
1950年6月20日
上映時間
0分
製作会社
アソシエイテッド・ブリティッシュ


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