灰色の男:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
灰色の男
灰色の男
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灰色の男

1948年9月公開
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「妖婦」のマーガレット・ロックウッド及びジェームズ・メイソン、「七つの月のマドンナ」「魔法の楽弓」のフィリス・カルヴァート及びスチュワート・グレンジャーが共演する映画で、「キャラバン」のエリナー・スミスの小説をドリーン・モンゴメリーが改作し、「妖婦」のレスリー・アーリスが作家のマーガレット・ケネディーと協力脚色し、アーリスが監督にあたり、「キャラバン」に「七つの月のマドンナ」のアーサー・クラブトリーが撮影した。助演者の主なる者はマーティタ・ハント、ヘレン・ヘイ、レイモンド・ラヴェル、ビアトリス・ヴァーリー等である。

ストーリー

十九世紀のイングランド。ミス・パチェットが経営する寄宿女学校で、クラリッサ・リッチモンドは生徒の中の花形である。美しく優しく、天使の心を持つ彼女が人気の中心であったのは当然であろう。そこにヘスター・ショウという美しい生徒が入って来た。彼女は孤児で、パチェット女史は近い将来に助教授にするつもりで引取ったのである。クラリッサはヘスターにすぐ好意を持ったが、名門に生れ恵まれた境遇にあるクラリッサを憎んだ。そしてパチェット女史を裏切り、海軍の貧乏少尉と出奔してしまった。クラリッサはロハン公爵と結婚し、一子ディヴィッドを産んだ。ロハン公爵は灰色の男とあだ名されているロンドン社交界のにくまれ者である。彼にとっては妻は子を生む機械であり家具の一つであった。冷たい家庭に味気ない月日を送っているクラリッサは、ヘスターが田舎回りの劇団の女優になっているという報せを聞きセント・アルバンスの町へ馬車で赴く。その途中、ピーター・ロクピーという男にたのまれて馬車に乗せてやる。意外にもピーターはヘスターと共に舞台に現われた。ヘスターが二年前に夫と死別したと語ると、クラリッサは家庭教師として城に来てくれとたのんだ。一目みた時から好意を感じたピーターは、ヘスターの話によれば、ジャマイカから来た男で、俳優、教師、馬食、詩人であるが、運命は彼とクラリッサを相思の仲とした。ロハンと忽ちねんごろになったヘスターは、クラリッサを追払って、自ら侯爵婦人になろうと企み、ピーターと共にジャマイカへ駈落しろとすすめる。正直なクラリッサはピーターを愛していることを告白したので、侯爵は怒ってピーターと決闘するが、プリンス・オヴ・ウェルズに中止を命じられる。ピーターは再会を約してジャマイカへ去る。傷心のクラリッサは病を得た。ヘスターは事の成らなかったのを口惜しがり、一夜クラリッサの部屋の暖炉を消し、毛布をはぎ窓を明けはなって凍死させた。それを知ったロハンは、ロハンを殺したものはロハンの制裁を受けねばならんと命絶ゆるまでヘスターをむち打った。それから百年余、ロハン家の最後の男はダンケルクで戦死し、クラリッサがただ一人残った。ロハン家宝物買立の日、彼女は奇しくもジャマイカから来たピーターと言う男に会った。二人は愛し合った。昔の二人と異りこの二人は幸福に結ばれるであろう。

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作品データ

原題
The Man in Grey
製作年
1942年
製作国
イギリス
初公開日
1948年9月
製作会社
ゲインスボロウ


[c]キネマ旬報社