ドキュメント・キアロスタミの世界:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
ドキュメント・キアロスタミの世界
ドキュメント・キアロスタミの世界
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ドキュメント・キアロスタミの世界

1995年7月29日公開、ドキュメンタリー
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イランの映画監督アッバス・キアロスタミの芸術の本質に迫るドキュメンタリー映画。アンドレ・バザンの未亡人ジャニーヌ・バザンと元『カイエ・デュ・シネマ』誌の批評家アンドレ・S・ラバルトの製作するテレビ・シリーズ『我々の時代の映画作家たち』(のちに『我々の時代の映画』に改題。なおこのうち60年代の代表的作品は『現代の映画作家たち』の題で91年に草月シネマテークで特集上映された)の一編。監督は批評家出身で「天使の接吻」ほかで知られるジャン・ピエール・リモザン。全編イランで撮影され、スタッフはフランスとイランの双方の人材が顔を並べている。製作はエリザベート・マリアンジェアスとマーヴァシュ・シコレスラミ、エグゼクティヴ・プロデューサーはクザヴィエ・カルニヴォー、イラン国営映画財団“ファラビ”のアミール・エスファンディアリ、仏=独共同出資のテレビ局ラ・セット・アルテのティエリー・ガレル、INAのクロード・ギュイサール。脚本はラミン・ジャハンベグローとリモザン、インタビューはヘンガメー・パナヒとリモザンの共同。撮影はジャン・マルク・ファーブルとハッサン・キラミ、録音はシャンギズ・サヤードとハッサン・ザハド。編集はガブリエル・マンサル・ズュボヴィック、ナディーヌ・タルブーリエシュ、ソンダバー・アバディ。音楽は故ジョルジュ・ドルリュー作曲による同シリーズのオリジナル曲と、キアロスタミの監督作「トラベラー」(74)からの抜粋。出演にはキアロスタミ監督本人が自動車を運転しながらインタビューに答えるほか、監督自身の案内でその作品の出演者である「友だちのうちはどこ?」のババク・アハマドプールとアハマド・アハマドプール兄弟、「オリーブの林をぬけて」のホセイン・レザイとその妻、「トラベラー」のマスード・ザンベグレーとその妻を訪問する趣向になっている。

ストーリー

アッバス・キアロスタミ監督の運転する車で、撮影隊は「そして人生はつづく」のときと同じ高速道路に乗って「友だちのうちはどこ?」の“ジグザグ道”三部作の撮影地に向かう(料金所の係員は「そして人生はつづく」と同じ人物)。一行はまず「友だちのうちはどこ?」のアハマドプール兄弟に会い、キアロスタミ監督が自分たちはいい俳優だったと思うかと訊ねる。少年たちはそろってそんなことはないと答える(キアロスタミ監督によれば映画でアハマド少年が泣くのは宿題のせいではなく、ただ少年を写したポラロイド写真を目の前で破ってみせたからだという)。続いて一行は「オリーブの林をぬけて」のホセイン青年の家でお茶を御馳走になる。監督によればホセインは演技指導の必要もないほど上手かったらしいが、今では役所勤めを免職になって失業中の彼は俳優になる気もなく、自分がそんなに上手かったとも思っていない。彼は結婚して4年になり子供もいるが、妻は映画で恋している夫を見ても別に嫉妬はしないという-「だって映画ですもの」。続いて監督たちはテヘランから400キロ離れた街に「トラベラー」の少年を演じた男を訪ねて映画のテープをプレゼントする。夫婦で夫の子供のころの映画を見る二人は感慨深げだ。彼は自分は最初からキャメラがぜんぜん気にならずに自然に演技ができたから俳優として才能があったのだろうと言う。最後にテヘランの路上でキアロスタミ自身が「クローズ・アップ」についてインタビューを受け、この映画では全員が自分自身を演じながら、誰もが自分を見せないようにしていたと語る。監督が映画を支配するのではなく、映画が作家を支配すること……最後にインタビュアーが質問する。「あなたは本物のアッバス・キアロスタミですか?」「さあね、名前なんて真実であった試しはないからね。」

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作品データ

原題
Cinema, de notre Temps: Abbas Kiarostami-Verite songes
製作年
1994年
製作国
フランス
配給
ユーロスペース
初公開日
1995年7月29日
製作会社
ラ・セット・アルテ=AMIP=INA
ジャンル
ドキュメンタリー


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