近藤真彦
五代誠
死に瀕した少女と生に絶望した青年の短い愛情を描く。人気アイドルの近藤真彦と中森明菜の初共演作品。脚本は「零戦燃ゆ」の笠原和夫と舛田利雄の共同。監督も同作の舛田利雄。撮影はこれがデビュー作の山田健一がそれぞれ担当。
深夜の高速道路で二台のスポーツ・カーと大型トラックが激しいカー・チェイスを 展開していた。突然、大型トラックが牙をむき、二台のスポーツ・カーははね飛ばされ、運転席から五代誠と親友の北野武志ははじき出される。誠は奇跡的に命をとりとめるが、武志は即死だった。救急車で運ばれた病院で誠は、不治の病に冒された薄倖の少女・小泉ユキを見かけ、一目で心を奪われる。ユキは天涯孤独で生まれつき心臓が弱く、短命な運命におびえていた。ユキの唯一の友達は「怪談」の耳無し芳一だった。彼のことを考えるとなぜか心がなごんだ。ある日、その芳一がユキの前に姿を現わし、一日だけ元気な青春の時間を与えてくれるという。ユキは真実の愛を求めて、さまざまな場所をさまよう。一方無二の親友を失い、生きる目的をなくした誠は、一人むなしくビルの屋上に立っていた。それを見たユキは懸命に屋上に登り誠を説得した。こうして神のみが知る運命の糸に引き寄せられて、誠とユキは出逢った。初めて言葉を交わした二人は、そのときからすでに定められたように恋におちた。誠とユキはバイクを駆い、タ陽を追って海に来た。二人は生ある間はどんなことがあっても離れまいと誓い合った。だがその誓いもむなしく誠がガソリンを探しにいっている間にユキが倒れ、病院に運び込まれてしまう。医師たちの必死の手術にもかかわらず、心臓は停止してしまう。何もかも信じられなくなった誠はユキの遺体をかつぎ出し、口移しで人工呼吸をすると突然大地震が起こり、ユキは蘇った。それから半年後、ユキは南の島の療養所でお年寄りや子供たちの面倒をみながら、誠がやってくる日を待ちこがれていた。そして今日は、東京で二人が生活できる環境を作り終えた誠が到着する日なのだ。汽笛が鳴り、約束通り誠は島に来た。しっかりと抱き合う二人。しかし、その幸福も束の間、ユキは永遠の眠りについた。
五代誠
小泉ユキ
小田俊介
柏木悠子
上原しげ
北野武志
倉本由美
野村
入院患者
現場監督
アナウンサー
レストラン店長
北野君代
奈良
監督、脚本
脚本
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
特殊技術監督
助監督
監督補佐
スチール
製作協力
製作協力
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