監督、脚本
様々な動物たちと出会い、別れながら成長していく茶虎の子猫の姿を描く。脚本、監督は北海道に動物王国を持つムツゴロウこと作家の畑正憲。協力監督は「ビルマの竪琴(1956)」の市川崑。撮影は「犬死にせしもの」の藤井秀男と富田真司がそれぞれ担当。
ストーリー
早春の北国、牛舎の中で母猫に抱かれている子猫たち。その中の一匹、茶虎のチャトランが脱け出て来て、土間に転落した。腕白ざかりのチャトランの親友は小犬のプー助。二匹はぐんぐん大きくなっていく。ある日、プー助と遊んでいたチャトランは、川辺の木箱に入り込んだ。突然、木箱は流れ出し滝つぼを落ちて行った。驚いたプー肋は助けようとするが泳ぎが大の苦手。必死に流れていく方へ走って行き木箱を見つけるが、チャトランの姿はなかった。その頃、やっと岸に上がったチャトランは森の中を歩いていた。キタキツネが砂に埋めた食料を失敬しようと思ったが、カラスに邪魔されて失敗。野原を馬の背中に乗って散歩したり、ワタスゲの原っぱで子鹿と遊んで一緒に昼寝したりと過ごす。夜、森の中でチャトランは怪我をした子豚に出会う。優しく舐めて元気づけ、朝になって子豚を送って行くと、御礼にと母豚が子豚の兄弟と一緒にお乳を飲ませてくれた。水辺にたどりついたチャトランは、一計を案じた。尻尾を水にたらして喰いついた魚を釣り上げたのだ。だが喜んだのもつかの間、アライグマに横取りされてしまう。草原の木立ちに登ったチャトランは、プー助の姿を見つけた。二匹はやっと巡り逢うことができた。牧場で病気の子牛にカラスが群がっている。プー助がカラスを追い払いに行く。再びプー助と離れてしまったチャトランは、海辺の絶壁で飛びかう鴎の子供を狙う。だが、母鳥に襲われ追いつめられて絶壁から落ちる。ずぶ濡れになって砂浜から上がり、番小屋でひと休みするチャトラン。そこに熊が襲って来るがタンスの中に隠れて危機を逃れた。暫くして、今度は蛇に追いつめられ深い穴の中に落ちてしまう。這い上がろうとするが全く無理、そこへロープを垂らし、引っばりあげてくれたのはプー助だった。秋になり、チャトランとプー助が遊んでいると一匹の白い牝猫が現われた。白猫に寄り添いじゃれ合うチャトラン。置き去りにされたプー助は、もう子供のままでいられないことを感じて寂しく去って行く。やがて冬が来た。白猫とチャトランの愛は深まっていく。春になり、桜が咲き乱れるなか、チャトランそっくりの子猫たちが遊んでいる。そこに、プー助が彼の家族を連れてやって来た。
スタッフ
協力監督
市川崑
詩の朗読
小泉今日子
ナレーション
露木茂
製作
日枝久
製作
角谷優
製作指揮
鹿内春雄
撮影
藤井秀男
撮影
富田真司
音楽監督
坂本龍一
美術
坂口岳玄
編集
長田千鶴子
照明
山下礼二郎
照明
煙草忠司
録音
信岡実
録音
大橋鉄矢
監督補
上野尭
企画
宮内正喜
プロデューサー
緒方悟
プロデューサー補
酒井彰
動物監督
畑三喜雄
スチール
石川利昭
スチール
小宮山道隆
構成
南川泰三
構成
日高真也
詩
谷川俊太郎
製作協力
岡崎澄一
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 製作年
- 1986年
- 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
- 初公開日
- 1986年7月12日
- 上映時間
- 95分
- 製作会社
- フジテレビジョン
[c]キネマ旬報社