化石:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
化石
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化石

1975年10月4日公開、200分、文芸
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不治の病にかかり死を宣告された男が、ヨーロッパを旅しながら新めて生と死を見つめ直す、という井上靖の同名小説をテレビ・ドラマ化し、映画に再編集した作品。脚本は稲垣俊と、よしだたけし、監督は「いのちぼうにふろう」の小林正樹、撮影は「吾輩は猫である」の岡崎宏三がそれぞれ担当。

ストーリー

一鬼建設社長の一鬼太治平は、仕事一筋に生き、男手一つで育て上げた二人の娘を嫁がせ、生まれて初めて仕事を離れ社員の船津を連れて保養のためにヨーロッパへ旅立った。ある日、パリでふと美貌の日本女性と出会ったが、話しかけることもなく通り過ぎた。その女性が、ヨーロッパ支社のパーティの席上、マルセラン夫人であることを知った。一鬼は体の異変に気づき船津の勧めもあり、医者に診てもらった。数日後、船津あてに、病院から診断の結果を知らせてきたが、一鬼は自分を船津だと偽って聞いた。癌だった。あと一年しか生きられない。慟哭する一鬼。二、三日して落ち着きを取り戻した一鬼は、若い日本人の岸夫婦に、パリ近郊のブルゴーニュ地方にあるロマンの寺の見物をすすめられた。この見物には、意外な事に岸夫婦が親しくしているマルセラン夫人も一緒だった。靄に煙る沿道、歴史を経た建物。そして、一鬼が死を意識する度に喪服の同伴者が現われ、彼と内面の対話を交す。やがて帰国した彼は、癌で一カ月後には死ぬという友人・須波を見舞った。その須波に一鬼は一年後の自分を見るような気がした。久し振りに一鬼は義母を訪ねるが病気の事は告げず、ふたたび仕事にうち込み始める。だが、今度は、以前と違って常に死を意識しながらの生活である。やがて、一鬼の体の異変に気づいた娘たちのすすめによって、手術を受けるが、思いがけなく成功してしまう。既に死を覚悟していた一鬼にとって、ロマンの寺もパリの寺院も過去の全てが「化石」としての存在でしかなくなっていた……。

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作品データ

原題
Kaseki
製作年
1975年
製作国
日本
配給
東宝
初公開日
1975年10月4日
上映時間
200分
製作会社
俳優座映画放送=四騎の会
ジャンル
文芸


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