黒の斜面:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
黒の斜面
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黒の斜面

1971年8月25日公開、93分、サスペンス・ミステリー
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飛行機事故から題材を得たもので、日常的な安定の中で、物質的にも性的にも微妙なバランスを保っていた人間関係が、ある偶然によってバランスを失った時、どんなスリリングでめくらめく恐怖が姿を現わすか、をテーマにしたサスペンス映画。脚本は「明日また生きる」の菊島隆三。撮影は「開運旅行」の丸山恵司がそれぞれ担当。

ストーリー

ダイバ物産営業係長辻井喬は妻圭子と二人暮し。最近課長が目前と噂され、胸を踊らせている。謹厳実直型だが、柄にもなく愛人ができた。数カ月前、偶然失恋自殺を図った妙子を救ったことから情事を重ねていたが、昇格の話がでてから、妙子と別れて身辺を綺麗にしたいと思っている。その日、辻井は現金三千万円を大阪へ携行する出張命令を受け最終の飛行機に乗るべく羽田へ行ったが待ち受けていた妙子に口説かれて出発を翌朝に変更、切符を見知らぬ青年島田に譲った。同僚清水は予定通り発ち、辻井は公金と残った。この瞬間から辻井の運命は狂い始めた。その夜半、妙子はアパートで、最終便が三河湾に墜落、全員死亡したことを知ったが、辻井にニュースをかくし、翌朝知らせた。辻井は驚愕し、うろたえた。妙子との秘事、職務の怠慢、公金横領の嫌疑……。小心な辻井は戸惑った。辻井を独占するための妙子の計画は当り、辻井は一夜明けたばかりに名乗りでるきっかけを失った。妙子は区役所で、航空事故だと死体がなくても認定死亡として戸籍から抹消されることを確認した。今日から別人格にたった辻井と新天地で生活できる。しかし、その留守中、辻井が消えた。行き先を遭難現場と読んだ妙子は三河湾・西浦へ急行したが、辻井はおらず、妻圭子に会った。死んだ清水の知り合いと偽って声をかけた妙子に対し、圭子は、荷物は発見されたが他の四人と共に遺体のない辻井が死んだとは思えないといい切った。圭子にしてみれば、挙動不審な妙子の他、山名ひとみと名のる若い女から、前夜、最終便に乗った恋人島田が行方不明で搭乗者名簿にもない。調べたところ、島田は御主人の切符を買ったに違いない、従って御主人は生きている筈だから、辻井を探しだして島田が闇から闇に葬られるのを防いでくれ、と頼まれてますます不審の念を強くする。思いあぐねた圭子は結婚前から親密な関係にある外山に相談を持ちかけた。外山はたちまち、妙子の存在からアパートまでつきとめた。そのアパートに辻井の姿を見た圭子のショックは大きかった。信頼していた夫に裏切られ、愛情は憎悪に急変した。一方、姿を消した辻井は西浦に向ったものの、顔をだす勇気もないまま、その後も妙子のアパートでごろごろしながら、遭難者の合同慰霊祭式場や、わが家など、圭子の居場所をのぞくだけで名のりでる決断がないばかりか、圭子と外山の親しげな様子を垣間見て疑惑と嫉妬にかられるのだった。数日後、辻井は妙子に誘われ、人目のない温泉場に行き、散歩の森の中で殺意を抱いた。圭子のもとに帰るには妙子が邪魔になる。妙子の首を絞め上げたものの、失神した妙子を見て彼はあわてて蘇生術を施した。妙子は一旦息をふき返したが、逃げだす辻井を見て再び崩れ落ちた。温泉行きの前日、“タカシすべてを許す連絡待つケイコ”という圭子がだした新聞広告を見て、圭子と電話で連絡ずみだった辻井は、わが家に飛び込んだ。しかし、そこに辻井を待っていたものは、仏壇にそなえられた黒ふちの彼の写真だけだった。

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作品データ

原題
Man on a False Flight
製作年
1971年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1971年8月25日
上映時間
93分
製作会社
松竹映画=俳優座映画放送
ジャンル
サスペンス・ミステリー


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