昭和残侠伝 一匹狼|MOVIE WALKER PRESS
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昭和残侠伝 一匹狼
昭和残侠伝 一匹狼

昭和残侠伝 一匹狼

1966年7月9日公開,90分
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「流れ者仁義」を共同執筆した山本英明と、松本功が今度も二人でシナリオを執筆。「昭和最大の顔役」の佐伯清が監督した「昭和残侠伝シリーズ」第三作。撮影は、「続・おんな番外地」の星島一郎が担当した。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

昭和の初期。銚子に近いある漁港町。間もなく近づくマグロ漁を前に、他の網元をつぶして、マグロを独占して、ひともうけしようと企んだ網元川鉄一家は、暴力と札束で網子を着々自分の傘下に収めていた。老舗の網元、浜徳の主人浜田勇吉も、浜徳を助ける潮政一家の貸元秋津政太郎も、川銀一家にほとほと手を焼き、はやる子分の気持を抑えるのに必死だった。元、関東島津組の幹部だった武井繁次郎が、政太郎の家に住みついたのはこんな時だった。繁次郎は、川銀の仕打ちに腹をたてるのもさることながら、昔の親分を暗殺した刺客桂木竜三が、川銀一家にわらじを脱いだということを聞き、復讐の機会を狙っていた。そしてこの港町で公演している女剣戟五月不二子一座に働く、昔の弟分弁慶松も、繁次郎を助け竜三の動静を見守っていた。そんなある日、川銀の貸元銀五郎は、仲買人まで買収しようと計り、防ごうとした政太郎を手下に射殺させた。いきりたつ潮政一家の子分達をなだめ、自分にまかせてくれといったものの、繁次郎の心は重かった。繁次郎が初めて惚れた小料理屋の女主人美枝は、竜三の妹だった。そして竜三も仁義をわきまえたいい男だった。この場を丸く収めたいと繁次郎は、浜徳のために大洗の木崎親分に頼み、やっとのことで網子を貸してもらった。それを聞いた銀五郎は、浜徳の漁船の焼打ちにかかる一方、竜三に繁次郎を斬ることを命じた。心ならずも竜三を倒した繁次郎は、その足で川銀一家になぐりこんだ。川銀一家の子分を斬りまくり、浜辺を逃げる銀五郎を一刀のもとに斬り倒した。すべてが終った。呆然と立ちつくす美枝の前を、繁次郎は警官にひかれていった。見送る美枝の眼は、いつしか涙にぬれていた。

作品データ

製作年
1966年
製作国
日本
配給
東映
上映時間
90分

[c]キネマ旬報社

  • rikoriko2255

    やまひで

    3.0
    2019/9/18

    「どうやら、あんたに惚れちまったなあ。」と繁次郎(高倉)に、ある時告白した桂木(池辺)は、自分が草鞋を脱いでいた悪玉一家の手下に殺られて、既に銚子の砂浜でこと切れていた。これまた繁次郎に好意を寄せている、桂木の妹、美枝(藤純子)ともその砂浜で別れて、繁次郎は官憲の待つ画面の手前に砂道を歩いて行く。すると、画面は俯瞰構図でセッティングとなり、中央にある砂道には手前中央に白い制服を着た警吏が二人立ち、その両側で村人たちが左右からその場を見守っている。ようやく画面前面に歩いてきた繁次郎は官憲に捕縛されるが、そのずっと後方には、小さくなった美枝がいまも砂浜に佇んでいる。いつまでも繁次郎を待っていると誓うかのように。本シリーズ9本中5本を撮った佐伯清監督の得意のエンディングの画面設定である。

     さて、本シリーズ「昭和残侠伝」が、高倉健主演の何本かのシリーズものの中で、最も魅力を感じさせる、その理由は俳優池辺良の存在であろう。伝統的に仁義を守る善玉一家と、仁義を守らない新興悪玉一家の対立をストーリーの背景にして、これに高倉を慕う紅一点(三田佳子、藤純子、小山明子、松原智恵子、星由里子)を絡ませ、恋には晩熟の、さすらいの高倉が、堪えに堪えて、最後に悪玉親分を切り倒す、これが「昭和残侠伝」のストーリーの基本構造である。しかし、この最後の、懲悪の「道行き」に渋い相方が付くことが、このシリーズの味噌であり、その相方を体現したのが、俳優池辺なのである。1918年生まれの池辺は、このシリーズ制作当時40歳代後半で、嘗ての二枚目青春スターの過去を背負って、どこか翳りのある、知的で苦み走った男性像を表象している。しかも、側頭と後頭部を刈り上げ、頭の上部だけ長めにするという、当時としては印象的な髪形で、それに、とりわけ黒の着物を粋に(本当は「いなせに」と言いたいところだが、これは気の早い若い人に言う言葉だそうだ。)着こなすと、池辺は、正に和製のダンディズムの権化と言えるだろう。こんな池辺に死地への道行きの相方を務めてもらっては、さすがの健さんも男冥利に尽きたことは想像に余りある。

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