若い獣:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS
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若い獣
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若い獣

1958年7月12日公開,101分
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拳闘の非情な世界を、そこで押しつぶされる青春の姿を、リアルに追求しようとしたもの。「死の壁の脱出」(共同脚本・日活)の石原慎太郎が、東宝で、原作・脚色・監督の三役を一人で担当した。その監督第一回作品。撮影は「大笑い捕物帖」の栗林実。主演は「二人だけの橋」の久保明、「結婚のすべて」の団令子・新珠三千代。ほかに、河津清三郎・佐原健二・左藤允などが助演。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

ウェルター級選手権試合出場資格決定戦で、ダウンした選手をリングサイドで度の強い眼鏡ごしに眺めつづける青年がいた。--宮口進は、かつては将来有望な染めものの画工だった。好きでやっていた拳闘がジムの会長・岡崎に認められ、画の師匠の目を盗んではジムに通った。許婚の由美も彼が一流のボクサーになることを期待していた。彼女は一家を支えるためテレビの部品工場で働いていた。進の父は昔拳闘家だったが、自分の苦い経験から進に反対した。師匠も彼の画才を惜しんだ。進はついにフェザー級新人王にのし上った。父も師匠も喜んでくれた。が、彼には試合前に渡される入場券以外に収入の道がなくなり、岡崎の世話で酒屋に勤めるようになった。当然、今までしてきたように由美の家まで面倒をみてやることは出来なくなった。由美は進の口ききで、岡崎の経営するクラブ“オリオン”のシガレットガールになった。マダムの時子が由美を女給に仕上げた。由美は急に大人び、派手になった。岡崎に何の警戒心もなく近づいたのだ。進の目前に、チャンピオンの椅子が控えていた。が、発育盛りの体重がフェザー級を越え出した。ムシ風呂とロードワークでの無理な減量。その苦しさ。進はライト級への転向を申し出たが、岡崎は受けつけなかった。彼は進をランキング一位の平林へ挑戦させることにした。由美は華やかな生活を好むようになり、進に急に冷たくなった。ほとんど会う機会がなくなった。進は父と別れた母に救いを求めたが、ボクサーをやめない限りと母は冷たかった。岡崎と由美が関係を持ったことを、パトロンを由美にとられた時子が進に告げた。進は絶望し、酒を飲み、由美を詰問する。由美はチャンピオンになったら結婚すると答えた。--減量。練習。チャンピオンになれば、--進はそれらの苦しみに耐えた。平林との試合の日がきた。進は相手を追いつめたが、不運なパンチをアゴに食ったのを境に、減量の無理が彼のスタミナを急速に奪っていった。何度もダウンをくり返した。が、その度に起き上った。岡崎はタオルを投げようとしない。平林に判定が下ったとき、彼は意識を失って倒れた。彼が救急車で送られるとき、父は車にハネられて死んだ。進はすべてを失ったのだ。あまつさえ記憶も、視力も。岡崎は彼をクラブの買い殺しのボーイにした。時子だけが彼の面倒を見てやった。--ウェルター級で勝った新吾の祝賀パーティーがオリオンで行われた。岡崎と二号の由美も出席した。手さぐりで給仕していた進は、コードに足をとられ転倒した。ビール瓶の破片が彼の顔をあの日のように血みどろにした。リングサイドで眺めていたとき以来、徐々によみがえっていた記憶が完全に回復した。彼はビール瓶の破片を岡崎と由美に投げつけ、もがき叫んだ。“返せ! 返せ! 青春を返してくれ!”

作品データ

原題
The Young Beast
製作年
1958年
製作国
日本
配給
東宝
上映時間
101分
製作会社
東宝

[c]キネマ旬報社

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