孔雀夫人(1936):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
孔雀夫人(1936)
孔雀夫人(1936)
-

孔雀夫人(1936)

1936年公開
0
-
  • 上映館を探す
評価、レビューが削除されますがよろしいでしょうか?

シンクレア・ルイス作の映画化で、舞台脚色をしたシドニー・ハワードが「人類の戦士」と同じく映画脚色し、「この三人」「お人好しの仙女」のウィリアム・ワイラーが監督したもので、舞台劇でも主演したウォルター・ヒューストンが主役を勤め、「夫の日記」「フリスコ・ジェニー」のルース・チャッタートンが相手役を演じる。「泉」「三銃士(1935)」のポール・ルーカス、「山小屋の一夜」「僕は軍人」のメアリー・アスターが共演するほか、「ローズ・マリイ(1936)」のデイヴィッド・ニーヴン、舞台劇と同役を勤めるグレゴリー・ゲイ及びマリヤ・オースペンスカヤ夫人、「噫初恋」のスプリング・バイントン、映画初出演の舞台俳優ジョン・ペイン、オデット・マーティル及びキャスリン・マーロウ等が助演している。キャメラは「ガルシアの伝令」「リリオム」のルドルフ・マテの担任。

ストーリー

サム・ダヅワースは二十年来自動車製造に従事して巨万の富を得、一人娘エミリイの結婚も済ましたので、妻フランの切なる願いを入れて欧州旅行を思い立った。フランは単純で正直だが年より若く見えるのが自慢で、伝統のない米国を軽蔑し、古い欧州文化に憧れていた。巨船クイーン・メリイ号はフランの夢を乗せて洋上を滑って行った。フランは船中で青年ロッカァトとホールで踊り、暗い甲板で語り合うようになった。しかしフランはロッカァトが戯れの恋を誘った時は、憤然として彼を振り切って夫に救いを求めたのであった。夫婦がパリの宿に落ちついた時、マダム・ペナープルや自称財政家のアーノルドやオースタリーの貧乏貴族クルト等がフランを取り巻いた。単純なフランは彼らをパリ一流の社交人と思い込んで遊び歩いた。妻の軽薄な行動に耐えかねたサムが帰国を促した時、フランはやっきとなってついつい夫だけを先に帰国させてしまった。この間にフランはゼネヴァ湖畔の別荘を借りてマダム・ペナープルやアーノルドを相手に遊び暮らして、夫の帰国をうながす電報にも答えなかった。サムは堪り兼ねて再び渡欧し妻の反省を求めた。フランはアーノルドに真実の心がないことを悟って素直に夫に謝罪した。夫妻はウィーンでクルトに会った。するとフランは再び彼と親しみを深め、ついに彼と結婚するためにサムに離婚を申し出た。二十年も連れ添った妻から異郷でこの申込みを受けた夫は、返す言葉も知らなかった。彼は離婚手続きの済む間に一人寂しくイタリアに旅行した。ナポリで彼は未亡人コートライト夫人の知り合いになり、招ぜられるままにその家に寄宿することになった。教養高い夫人は理解と同情を以てサムの痛手を慰めてくれた。心を取り戻した彼はこの優しい夫人と結婚しようかと思うまでになった。この時急にフランからクルトとの結婚が不可能になったので、サムと一緒に帰国したいと電話が来た。サムは永い夫婦生活の義務としてもフランを許してやらねばならぬと思った。涙ぐむコートライト夫人と別れて、彼は再びフランと米国行きの船に乗った。彼女は非常に若返って見えたが、浮ついた言動には何の後悔も見えなかった。出帆の銅羅が鳴り響いた時、耐えられなくなったサムは一気に船を駆け下りた。訳が判らずに、夫の姿を呆然と見つめるフランを乗せて、巨船はナポリの港を静かに出て行った。

映画レビュー

まだレビューはありません。
レビューを投稿してみませんか?

コラム・インタビュー・イベント

ニュース

作品データ

原題
Dodsworth
製作年
1936年
製作国
アメリカ
配給
ユナイテッド・アーチスツ支社
初公開日
1936年
製作会社
ユナイテッド・アーチスツ提供映画


[c]キネマ旬報社