遙かなり母の国:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
遙かなり母の国
遙かなり母の国
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遙かなり母の国

1950年3月5日公開、98分
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企画は「透明人間現わる」の奥田久司。原案は「愛染草」「蛇姫道中」の川口松太郎で、「サンデー毎日」所載のもの。脚本は「わたしの名は情婦」「蛇姫道中」(木村惠吾と協同)の依田義賢、監督は「山を飛ぶ花笠」(脚本・監督)「蛇姫道中」(構成)の伊藤大輔で、製作中の「われ幻の魚を見たり」を一時中止して本作品を製作した。カメラは「透明人間現わる」の石本秀雄の担当。主演の早川雪洲は「大楠公」「天下の伊賀越」「新しき土」などを最後に十三年前の一九三六年「ヨシワラ」出演のためフランスへ出発、そのまま戦火のパリに止まり、戦後アメリカに招かれて「東京ジョー」(コロンビア映画)にハンフリー・ボガードと主演、「三人は帰った」(二十世紀フォックス映画)にクローデット・コルベールと主演し昨年十月本作品に出演のため帰朝したものである。それに「影法師」「蛇姫道中」の山田五十鈴、「痴人の愛(1949)」「蛇姫道中」の京マチ子、「無頼漢長兵衞」の加東大介、三島雅夫、「甲賀屋敷」「影法師」の山本礼三郎らが共演する。

ストーリー

物語は一九一五年の大晦日、南米の日本人町に始まる。乱暴者の速水ジョーは篠原、団ら悪徳日本人と争い、篠原を殺し、その場から高飛びしようとした。ジョーの恋人水芸師の満紗子は、ジョーに人間らしく、正しい法の裁きを受けさせねば、と考え、偽って自分の腹に子供が宿っていると告げた。ジョーは大きな衝撃を受け、やがて素直に自首し、結果は九十九年の刑だった。その後満紗子は日本に帰った。獄中のジョーはしきりに子供の消息を求めた。満紗子は途方にくれ、やがて和七という男と結婚し娘萬里を生んだので、それをジョーの娘に仕立てて毎年萬里の写真を送り続けた。終生獄中で暮らすジョーにせめて美しい夢を持たせようと--。だがジョーは出獄した。萬里という希望の星をみつけジョーの人間性は変わり、模範囚として二十年後に出獄を許され、松田という老人の莫大な遺産を譲られて日本へ帰った。満紗子は驚いた。彼女は和七と死別し、今かつてのジョーの喧嘩相手だった団の率いる奇術一座に萬里と働く身だった。陰険な団は萬里の秘密を知っておりそれをジョーに暴露すると満紗子を責めて金をゆすった。それとも知らぬジョーはただひとすじに萬里をわが娘と信じ熱愛した。萬里に舞踊の天分があると知るや、金に糸目をかけず団の一座から譲り受け、彼女のためにバレー団を作って旗揚げ公演を急がせた。満紗子はジョーの更生を涙をながして喜んだが、絶えず団の脅迫に脅かされた。萬里の公演を妨害しようと企む団は、ある日ジョーに向かって秘密を暴いた。ジョーは激怒して二十年前の乱暴者のように荒れ狂った。そして行方知れずになった。ジョーを失ったことによって、萬里の公演は頓挫しようとした。しかしジョーはたとえ萬里が自分の娘でなくとも、それによって更生出来たことを感謝するために蔭ながら公演を援助した。そしてその成功を見届け、更に団をこらしめた上、彼はひとり淋しく南米に帰ろうとした。それを知った萬里は出帆直前ジョーを引き戻そうと駆けつけた。大いなる愛情に目覚めたジョーは満紗子の嘘こそ人の一生を左右する尊い真心であったことを悟り、飜然として下船し、親子三人は楽しく相擁したのだった。

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作品データ

製作年
1950年
製作国
日本
配給
大映
初公開日
1950年3月5日
上映時間
98分
製作会社
大映京都


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