監督、脚本、製作
イギリスのクレイメーション(粘土アニメ)作家ニック・パークが創造した、お人好しの発明家ウォレスとその飼い犬グルミットを主人公とす短編アニメ作品。監督・製作・脚本はニック・パーク。パークは「快適な生活」で90年アカデミー賞最優秀短編アニメーション賞を獲得、同年「チーズ・ホリデー」が最優秀アニメーションにノミネート、「ペンギンに気をつけろ!」が94年アカデミー賞最優秀アニメーション賞を獲得したのを始め、この3作で世界各国のアニメーション関連の賞を席巻した。またイギリス本国を始めアメリカやフランスでもテレビ放映や劇場公開、それにテレビCMのキャラクターにも起用され、広範な人気を獲得している。
ストーリー
動物園の動物たちに、動物園の暮らしについてどう考えるかインタビューしていく、テレビ・ドキュメンタリーのパロディー・スタイルのユーモラスな短編。撮影はディヴィッド・スプロクストン、録音はアード・ウィルツ、編集はウィリアム・エナルスの英のTV局チャンネル4向けの“リップシンク”(映像と音声の同調で口の動きが台詞と完全にマッチしていること)というシリーズのために製作された一編で、動物の語るインタビューがその口の動きに完全にマッチしているばかりか、動物の種類や性格などに合わせてイギリスの各地方・各社会階級の訛りが絶妙に組み合わせ、当てはめられていることがおかしく、卓越した英国社会の風刺的戯画ともなっている。パークは本作でアカデミー賞最優秀短編アニメーション賞、クレルモンフェラン短編映画祭グランプリを受賞するなど、各国の映画祭・映画賞で一躍注目を集めた。またイギリス本国では動物キャラクターのCMキャラクターに起用されて人気を博している