インディラ・ヴァルマ
Maya
古代インドの愛の聖典『カーマ・スートラ』をモチーフに、運命の波に翻弄されながらも力強く生き抜いた2人の女の姿を、エロチシズムを交えて描く人間ドラマ。監督は「サラーム・ボンベイ!」「太陽に抱かれて」のインド出身の女性監督ミラ・ナイール。脚本は、南アフリカで舞台戯曲を手掛けてきたヘレナ・クリエルとナイールのオリジナル。製作は「太陽に抱かれて」の女性プロデューサー、リディア・ディーン・ピルチャーとナイール、製作総指揮は「バスキア」のミチヨ・ヨシザキ。撮影は「リービング・ラスベガス」のデクラン・クイン、音楽は「エキゾチカ」のマイケル・ダナ、見事な時代考証で当時のインドの町並みを再現した美術は、ウディ・アレン作品の美術補として腕を磨いてきた「太陽に抱かれて」のマーク・フリードバーグ、衣裳も同作のエドゥアルド・カストロ、編集は「カリートの道」のクリスティーナ・ボーデン。出演は、本作がデビューの新星インディラ・ヴァルマと、ナイール監督の「ミシシッピー・マサラ」でデビューした、「愛と精霊の家」などのサリター・チョウドリー。共演は「イングリッシュ・ペイシェント」のナヴィーン・アンドリュース、インド映画界を代表するベテラン女優のレカほか。
16世紀インドの宮殿。王の娘タラ(サリター・チョウドリー)は藩王ラジャ・シン(ナヴィーン・アンドリュース)との結婚が決まるが、宮殿を訪れたラジャの視線は召使の娘であるマヤ(インディラ・ヴァルマ)に釘付けとなり、嫉妬に駆られたタラは衆人環視の中で彼女に唾を吐きかけ、侮辱する。その夜、宮殿では婚礼前夜の宴が開かれ、マヤは復讐のためにラジャと一夜を共にした。マヤが幼い頃から、ずっと彼女を思い続けていたタラの兄ビキ王子は、身分が違うという母親の反対を押し切り、マヤに求婚。しかし、マヤは愛のない結婚で王女の地位を手に入れるよりも、自分の手で運命を切り開くことを望む。求婚を断られた王子は腹いせに、あの日彼女がラジャと寝たことを暴露し、彼女は宮殿を追われる。その頃、タラは夫ラジャとの初夜を迎えていたが、ラジャはマヤの名を呼び、タラは屈辱にうち震える。放浪に旅に出たマヤは、若き宮廷彫刻家ジャイ・クマール(ラモン・ティカラム)と出会う。実は彼は、タラの婚礼の宴でマヤを見かけた時から彼女の美しさを忘れられずにいた。ジャイはマヤを『カーマ・スートラ』の指導者で、かつては宮廷で愛妾をしていたラサ・デヴィの元へと連れていく。デヴィの説く愛の奥義に触れるうち、マヤは次第にジャイへの思いを開花させていく。しかし、ジャイには彼女をモデルにした石像を完成させる方が大切だった。マヤは通じぬ思いに苦しんだ末、「愛の法則が愛する人に通用しないなら、愛してない人に試してみたいの」と、王の愛妾になるための指導をラサに乞う。ある日、宮廷彫刻家の仕事ぶりを見に訪れたラジャは、ジャイの石像のモデルがマヤであることにひと目で気づく。ラサの指導の下、一流の愛妾に生まれ変わったマヤは、宮殿へと召され、タラと皮肉な再会を果たす。以前にも増して妖しいまでに美しくなったマヤにラジャは夢中になり、そんな日々の中でタラは次第に精神のバランスを崩していく。愛のない奉仕の日々に虚しさを募らせていたマヤは、ジャイと久しぶりに再会。彼がいかに自分を愛していたかを知ったマヤは、それ以来、ラジャの目を忍んで愛し合うようになった。マヤから拒絶されたラジャはアヘンに溺れ、西国の王がビキ王子と手を組んでラジャの国を攻めようとしているという情報にも無関心だった。ついに2人の関係がラジャに知られ、激怒したラジャはジャイに死刑を命じる。一方、タラは浴槽の中で自殺を図ったが、マヤの手当てで命を取りとめた。マヤはラジャにジャイの命乞いをするが、ラジャは無情にも死刑執行を宣言。その騒ぎの中、西国とビキ王子の同盟軍が攻めてくる。マヤはジャイの死を見届けると、全てをありのまま受け入れようと決意して宮殿を旅立った。
監督、脚本、製作
脚本
製作
エグゼクティブプロデューサー
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
[c]キネマ旬報社