憂鬱な楽園:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
憂鬱な楽園
憂鬱な楽園
4.0

憂鬱な楽園

1997年4月12日公開、112分
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中年間近のチンピラと、弟分と彼の恋人のその日暮らしの毎日を描いた一編。監督は「悲情城市」「戯夢人生」「好男好女」の“台湾現代史三部作”など、台湾ニューウェーヴの名匠ホウ・シャオシェン。主演は「好男好女」のガオ・ジェ、台湾のカリスマ的ロック・ミュージシャンでもあるリン・チャン、同作のヒロインの伊能静。現場での即興を多く取り入れ自在に撮りあげ、リン・チャンが手掛けた斬新な音楽に乗せて、前作と一転した作品世界を造り上げている。製作の水野勝博、市山尚三、ホァン・チェン、キン・ジェウェン、シェ・ピンハン、製作総指揮の奥山和由(「栄光と狂気」)、ヤン・ダイクイ、美術のホァン・ウェンイン、編集のリャオ・チンソン、録音のドゥ・ドゥージは「好男好女」に続いて参加。「好男好女」に出演したガオ・ジェとキン・ジェウェン(出演も)の原案を基に、ホウ・シャオシェンとコンビを組むチュウ・ティエンウェンが脚本を執筆。撮影は「好男好女」など監督の常連チェン・ホァイエンに加え、追加撮影部分を「戯夢人生」のリー・ピンビンが手掛けた。共演は『唐朝綺麗男』(日本未公開)などのシュウ・グイイン、「熱帯魚」のリェン・ピートンほか。特別出演として、ホウ・シャオシェン作品の顔である台湾の人間国宝リー・ティエンルーがちらりと顔を見せる。

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ストーリー

台湾。チンピラのガオ(ガオ・ジェ)は40近いが正業に就かず、弟分のピィエン(リン・チャン)と彼の恋人のマーホァ(伊能静)を連れて、その日暮らしの毎日。田舎町の平渓。兄貴分のシイ(キン・ジェウェン)に頼まれ、賭博の仕切りに来た3人だが、ピィエンは地元の男とトラブル。マーホァはいつも遊んでいるだけだ。ガオの恋人アイン(シュウ・グイイン)はバーのホステスで、マーホァは同じ店の後輩。いずれ上海にディスコでも開くとガオは話すが、彼女は聞き流す。案の定、シイとつるんで中国本土に投資した一件は失敗した。キレたシイが取引相手を監禁しようと引っ立てたところ、アインからガオに電話が。マーホァがホストクラブの借金を踏み倒すため自殺を図ったという。怒鳴り散らすガオ。翌朝。ガオは姉から引越しの手伝いを頼む電話で起こされる。ピィエンとマーホァは部屋を散らかし放題。二人はガオの部屋の居候なのだ。二人は引越しに連れていかれ、ガオの実家の食堂も手伝わされるが、役に立たない。発作を起こす父は、ガオに上海へ戻りたい夢を話す。シイが仲間のアトン(リェン・ピートン)と現われた。シイの知人の土地を電力会社が買収する話にからんで、豚を集めて土地の評価額を上げる仕事でひと儲けしようというのだ。養豚場の老人(リー・ティエンルー)を説得して六千頭の豚を集める交渉をするシイ。仕事は何とか成功、カラオケ・バーで宴会も盛り上がるが、ガオは泥酔して帰宅。「親父にすまない。店は開けない。アインにプロポーズもできない。社会に出てから何も残っていない」と二人の前で泣いて愚痴る。翌日。バイクで山道を行く3人。ピィエンの親戚の家。縁側で食事をしながら、ピィエンは何年か前、一族の土地が政府に買い上げされた時、自分だけがもらわなかった分け前について兄に質問。自分の分は宗教に寄付した、ピィエンの分は叔父が知っていると聞いた。アインがホテルに来て、アメリカ行きの話をして将来のことでガオに詰め寄る。そこにピィエンから電話。マーホァと叔父を訪ねたピィエンは取り合ってもらえないばかりか、やってきた刑事の従兄ミンランに恐喝のカドで連行され袋叩きにあったのだ。なだめても聞かず、復讐すると息巻くピィエンに付き合って一緒に拳銃を調達しようとするガオ。ところが二人は密告されてミンランにつかまった。シイがやってきて、先輩で元ヤクザの議員に仲裁を頼んで二人は釈放された。二人を車ごと山道に置き捨てにして、車の鍵を投げ捨てて去るミンラン。暗闇で鍵を探す3人。ようやく車は走り出す。夜明け。車はスリップしてとまってしまった。トラブルは続きそうだ……。

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作品データ

原題
南國再見、南國
製作年
1996年
製作国
台湾 日本
配給
松竹富士
初公開日
1997年4月12日
上映時間
112分
製作会社
侯孝賢映画社=松竹作品(Team Okuyama提供)


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