役所広司
北野浩
腐敗した大銀行を再生すべく、立ち上がった中堅行員たちの姿を活写した社会派ドラマ。監督は「バウンス ko GALS」の原田眞人。高杉良によるベストセラー小説を基に、高杉良、鈴木智、木下麦太が共同脚色。撮影に「オサムの朝」の阪本善尚があたっている。主演は、「ニンゲン合格」の役所広司と「宮澤賢治 その愛」の仲代達矢。
※結末の記載を含むものもあります。
1997年、東京・日比谷。丸野証券の利益供与事件による総会屋・小田島の逮捕により、300億円という不正融資疑惑が持ち上がった朝日中央銀行(ACB)本店に東京地検特捜部の強制捜索が入った。ところが、ACBの上層部は責任を回避しようとするばかり。そんな上層部の姿勢に腹を立てた"ミドル4人組"と呼ばれる企画本部副部長の北野、同部MOF担の片山、同部副部長の石井、広報部副部長の松原らはボード(役員)を総辞任させ、"ブルームバーグ・テレビジョン"のアンカーウーマン・和田の力を借りて新頭取に中山常務を推すと、真相調査委員会を結成。 ACBを闇社会や古い慣習などの"呪縛"から解き放ち、再生させようと東奔西走する。しかしそんな事態に至っても尚、佐々木相談役だけは最高顧問としてACBに居座ろうとしていた。佐々木の娘婿でもある北野は、身内と対決しなければないないことに苦悩しながらも、小田島と佐々木の癒着が記された自殺した久山幹部の遺書を武器に彼を辞職、逮捕へと追い込む。それから数日後、 ACBの株主総会が行われた。中山新頭取を中心に、北野たちは闇社会との繋がりや行内の膿を放出することを株主に確約してこれを乗り切ることに成功。こうして、ACBは再生への一歩を歩き始めるのであった。
北野浩
佐々木英明
片山昭雄
北野今日子
和田美豊
久山隆
中山公平
石井卓也
松原秀樹
中澤専務
大野木検事
一条弁護士
陣内新副頭取
佐藤弘子
川上多治郎
青木伸枝
坂本頭取
今井会長
吉野副頭取
太田副頭取
小田島敬太郎
株主790番
森田部長
西田
宮本
大津
永山
渋沢部長
気の弱い守衛
危険な通行人
見つめる青年
激励する弁護士
辛口評論家
クリス・ゴタンダ
トク
チーフ
白木レポーター
赤星記者
茶器記者
クラリネットの浮浪者
株主総会の弁護士
株主
株主
株主
株主
伊良部事務官
池ノ上検事
伊場事務官
牛島弁護士
両角弁護士
塩谷弁護士
大蔵省梶原課長補佐
北野浩一
北野レナ
執行官
アナウンサー
監督
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
企画
企画
企画
プロデュース
プロデュース
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
製作担当
原作、脚本
脚本
脚本
撮影
撮影効果
撮影効果
撮影効果
照明
編集
録音
整音
美術
装飾
衣裳
スタイリスト
音楽
音楽プロデューサー
選曲
スクリプター
スチール
デジタルイフェクトプロデューサー
VFXスーパーバイザー
音響効果
助監督
主題歌
[c]キネマ旬報社
タイミングのぴったりな時宜にテレビ放映。ビデオがあるのかないのか、あるとすれば、触らぬ神で、店に置かないのか?
映画は、そんな堅さがない進み方で、実際はもっと官僚的ではないかと明らかに思える描き方。威張りちらす相談役、チョっと気の弱い新頭取など映画ならでは、となっていた。
それでも、話題にしにくい話題を良く踏み込んで映画化した。
役者にサラリーマンの経験が少ないと思われる人たちで、実際の職種になりきれない感じがあった。
バブル崩壊後の金融業界は、コンプライアンス遵守や金融商品取引法(いわゆる金商法)などによって、かなり浄化されたと見て良いのではないだろうか。
本作は、1999年公開の作品であり、その当時は「今後の銀行は、かくあるべきだなぁ」と思えたものが、2012年に本作を観ても「過去のエンターテインメント作品」にしか見えなくなった気がする。
映画はどんな作品であっても、時を経て再見した時には観る環境が変わっているので、受ける印象などが変わるのは当たり前の話ではある。
ただ、本作のように時代を反映した作品は、印象が一段と異なる気がする。