荒野のストレンジャー|MOVIE WALKER PRESS
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荒野のストレンジャー

1973年6月2日公開,105分
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謎の無宿者が西部の町を訪れたことから怒るパニックを描く。製作はロバード・デリー、監督は「恐怖のメロディ」に続きこれが監督第2作目のクリント・イーストウッド、脚本は「フレンチ・コネクション」でアカデミー脚本賞を受賞したアーネスト・タイディマン、撮影はブルース・サーティーズ、音楽はディー・バートン、編集はフェリス・ウェブスター、が各々担当。出演はクリント・イーストウッド、ヴァーナ・ブルーム、マリアンナ・ヒル、ミッチェル・ライアン、ジャック・ギンク、ステファン・ギーラッシュ、テッド・ハートレイ、ビリー・カーティス、ジョフリー・ルイス、ウォルター・バーンズ、アンソニー・ジェイムズ、ダン・デイビス、ウィリアム・オコンネルなど。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

高原の町ラーゴに、1人の無宿者(クリント・イーストウッド)がやってきた。男は馬を納屋にあずけると酒場に入り、飲み始めた。そこに、ビル、トミー、フレッドの3人が入ってきて男にからんだが、男はそれを無視した。男は次に床屋へ行った。そこへもさっきの3人組がやってきて嫌がらせを始めたが、突然、白衣の下から男の拳銃が陽を吹いた。3人は床に倒れた。一瞬の出来事だった。その場に居合わせた小びとのモーデカイ(B・カーティス)は声もなくただ見つめるだけだった。床屋から出た男は、向こうからやってくるカリー・トラバース(マリアント・ヒル)を納屋に連れ込むと、強引に犯してしまった。翌朝、男はホテルの主人ルイス(テッド・ハートレイ)にしばらく滞在するむね告げた。ルイスの妻サラ(ベルト・ブルーム)は、この男をどこかで見たような気がしてならなかった。その頃、ステイシー・ブリッジス(ジョフリー・ルイス)、コール(アンソニー・ジェイムス)、ダン(ダン・デイビス)という兄弟が刑務所から放免になって、この町に向かっていた。3人はかつてラーゴ鉱山会社で用心棒をしていたことがあったが、金塊を持ち出し、さらに逮捕しようとした連邦保安官をムチで叩き殺したのだ。ラーゴではこのニュースをいちはやく受け取っていた。そして、町を復讐から守るために、例の正体不明の無宿者を雇うことになった。町を挙げての防戦体制がしかれ、男とモーデカイに絶大な権限があたえられた。だが、この男の行動が理解できない鉱山会社のドレイクやモーガン(ジャック・ギング)は男を用心棒として雇ったことを後悔し始めた。一方そんなことにはおかまいなく、男はホテルの客を残らず他の場所に移し、カリーをホテル暮らしを始めた。ある夜、2人の部屋へモーガンと数人の男たちが侵入し、手にしたコン棒を寝ている男の上にあびせた。だが男は窓の外のベランダからダイナマイトを投げつけ部屋もろとも吹っとばしてしまった。翌日、男はモーデカイに指揮を命じて、どこかへ去っていった。町の連中は、彼がいなくてどうやって町を守るのかと恐怖におののき、騒ぎ始めた。そんなところにステイシー兄弟がやってきたからたまらない。混乱している町を乗っ取るのは、3人にとっていとも簡単なことだった。人々を酒場に集め、3人は勝手放題にいやがらせを始めた。コールが馬を見ようと酒場の扉を押すと、突然ムチの音がして彼の姿が見えなくなった。コールのうめき声で、ステシシーとダンが通りに出ると、コールがムチで打たれて死んでいた。さらにダンの首にからみついたムチが生きもののように彼の首をしめつける。彼は地面にくずれ、そのまま死んだ。ステイシーは素早く建物の影に隠れた。だが男はどこまでも追ってくる。“お前は誰だ。何者なんだ?”その言葉がステイシーの最後だった。町をのぞむ丘の上の墓地。名無しだった、ムチで殺された連邦保安官の墓に“ジム・ダンカンここに眠る”と、モーデカイが刻んだ。男が町を去ってゆく。「あんたの名前を聞いてなかったね」とモーデカイがいうと、男は墓石をじっと見つめていった。「知っているはずさ」。

作品データ

原題
High Plains Drifter
製作年
1972年
製作国
アメリカ
配給
ユニヴァーサル=CIC
上映時間
105分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.5
  • たっかん

    3
    2015/8/16

    クリント・イーストウッド監督&主演の西部劇。
    凄腕の「流れ者」を演じる。相変わらず強い役。

    ラーゴという町にやって来た「流れ者」が、床屋で髭剃り中に狙われて、弾丸3発で襲ってきた3人の男を射殺。
    「流れ者」は、町の女といきなり交わったり、腕をみこまれて町を守るよう頼まれると欲しい物は全て無料、という我儘ぶりであるが、厭味は無い。

    かつて、この町で保安官をしていたジム・ダンカンという人は、町が使っている鉱山が町のものではないと知って、町の者たちに殺されて死体をどこかに始末されたという過去あり。

    そんなおり、この町で監獄にぶちこまれたブリッジズ達(3人)が仕返しに来る、という時期になり、町中が大騒ぎとなるが、「流れ者」は「町中を赤いペンキで塗れ」と町をHELL(地獄)っぽくする。

    クライマックスは、ブリッジズ達(3人)と流れ者との「夜の闘い」…
    という比較的オーソドックスな西部劇。

    クリント・イーストウッド監督作品としては、いたってシンプルな作品だった。

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  • キネマ白道

    5
    2013/5/27

    そして町を真っ赤に塗りたくり

    復讐を果たす彼は?

    まさか?

    亡霊だったとでも言うのだろうか?

    フラッシュバックする

    鞭打たれ

    悶死した

    保安官は

    まさか?

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  • 晴耕雨読

    4
    2009/5/23

     「夕陽のガンマン」の冒頭シーンを彷彿とさせるようなロングショットから映画が始まる。クリント・イーストウッド扮するストレンジャーが陽炎の立つ砂漠を駆けて、急斜面を下り、レイクサイドの町“LAGO”へ入ろうとするのだが、「OK牧場の決闘」のように町の出入り口に墓地が存在している。映画開始からの音楽は勇壮というより、スリラー映画のようなモノ寂しさが感じられ、今までのイーストウッド西部劇とは違った雰囲気が醸し出される。

     映画の構成は「真昼の決闘」と同様に怯懦な町民。キリスト教の七つの大罪を平気で犯すような連中という設定です。そんな町“LAGO”にストレンジャーが入ってきます。ストレンジャーの正体は曖昧模糊としており、時折、リンチの悪夢が繰り返されるだけという巧みなストーリーテリングがミステリアスな雰囲気を醸し出しています。

     酒場で絡んできた無頼漢三人を一気に殲滅してしまうガンプレイは床屋という舞台設定も「夕陽のガンマン」と酷似しています。主人公ストレンジャーの早撃ちを確認した町の有力者たちは彼を用心棒として採用するのですが、ストレンジャーは町の秩序と論理を引っくり返してしまいます。但し、マイノリティーのネイティブアメリカンや奇形の身障者に対しては優しい視線と行動をとるのでヒーローの魅力は失ってはいないのです。

     七つの大罪を全て犯す人間たちが住む町“LAGO”に、町民たちへの復讐を果たすため近づく悪漢ども。それらを迎撃するために戦闘訓練をしてきた町民でしたが、実戦では見るも無残な怯懦な行動を取ってしまいます。「用心棒」や「荒野の用心棒」では悪と悪を戦わせて戦力弱体化を図って漁夫の利を得ますが、本作品は徹頭徹尾、主人公は傍観者でいるのです。

     映画冒頭からのミステリーがラストシーンで解明されます。馬上の人となったストレンジャーに墓石を掘る矮躯の身障者が名前を尋ねますが、ストレンジャーは知っている筈だと答えるのです。…ストレンジャー・悪夢・無関心な傍観者・復讐・墓石がキイワードになった世にも不思議な西部劇の傑作です。

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