クリスチャン・ベール
John Preston
第三次世界大戦後の未来を舞台にしたSFアクション。血も涙もない戦士として生きてきた男の孤独な闘いを、武術と銃を融合させた斬新な武闘シーンを盛り込んで描く。
※結末の記載を含むものもあります。
市民が感情をもつことを禁じる未来の管理社会。その取り締まりを行うプレストンは、冷徹な殺人マシンのような男だった。だが同僚の死、メアリーという女性との出会いをとおして彼の心に思わぬ感情が芽生える。
John Preston
Mary O'brien
Brandt
Dupont
Father
Robbie Preston
Partridge
Jurgen
Seamus
Office in Charge
Chemist
Evidentiary Storage Officer
Gate Guard
Preston's wife
Lisa Preston
Enforcer Commander
Gate Guard
Lead Sweeper
Rebel Leader
Rebel Victim
Crematory Technician
Reading Room Proprietor
Viviana Preston
Dupont's Sectretary
Search Coordinator
Proctor
Interrogator
Polygraph Technician
監督、脚本
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作
製作
共同製作
アソシエイト・プロデューサー
キャスティング
キャスティング
キャスティング
撮影
編集
編集
音楽
音楽提供
美術
衣装デザイン
視覚効果
スタント・コーディネーター、擬斗
擬斗助手
擬斗助手
[c]2002Miramax Film Corp.All Rights Reserved. [c]キネマ旬報社
戦争により世界は大ダメージを受けた。
次の世界大戦が勃発すれば人類は滅亡してしまうのでは?
そんな危機感から、社会はとんでもないシステムを作り上げてしまった。
戦争は怒りや妬みといった感情から勃発するという考えから、一切の感情を封じる政策に打って出た。
その代理人として、クラリックと呼ばれる、感情発露のトリガーになる美術品や音楽、文学作品の所持を取り締まる特別捜査員が創設されている。
ンなバカなという無茶な設定を強いているのが本作。
政治だって感情なしに動かないだろ? つーか、子どものケンカじゃないんだから、感情を奪ったくらいで戦争なくなるなんて安直過ぎないか?
などと言うなかれ。本作はそれより大事なもので作られている。
ガン=カタ。
まるで拳を使うかのように両手に装備した銃器を使い、一対多数の近距離戦を制する武術。
この設定が本作の魅力を押し上げていると思う。
というか、映画『リベリオン』というタイトルは知らなくても、あるいは「ガン=カタ」というワードを知っている人は少なくないんじゃなかろうか。
二丁拳銃というだけなら、『リベリオン』以前にも存在した。
しかし武術の型をなぞらえたような動きで銃器を扱い、戦術ではなく技で敵を制圧する射撃術は、おそらく『リベリオン』が最初だと思う。
冒頭では光源がまったくない中、敵のささやき声とマズルフラッシュを頼りに位置を察知、たった一人でアサルトライフルやサブマシンガンで武装した集団を殲滅してしまう。
デザートイーグルみたいなオートマチックを片手で撃てば、ろくすっぽ制御できるわけがない。
おいおいリロードなしで何発撃ってんだよ。
いくらなんでも遮蔽なしに棒立ちしてたら当たっちゃうだろ。
などと無粋なことを言ってはいけない。この世界最強の武術ガン=カタは、攻撃と防御を最大化する体術を体系化したものなのだから。
どういう着想からガン=カタに至ったのか、永賀は知らない。
けれど単なる格闘戦では勝ち得ない一瞬の死と隣り合わせの緊張感、また銃撃戦では実現できなかった緊迫感の持続を、このガン=カタは獲得している。
その強烈にインパクトのある戦闘シーンは、剣術劇における殺陣に等しい見応えがある。
それに比べたら、感情を封じた社会で人間は正常に成長できるのか、そもそも人間関係は成立するのか、愛情もないのに結婚して子どもを育てるなんて不可能じゃないかといった疑問は愚問。
この種の疑問はどうだっていいのだ。
ガン=カタという戦闘をつなぐストーリーさえ維持できていれば、それ以上を望んじゃいけない。そんな気がする。
では評価。
キャスティング:8(クリスチャン・ベールが主演でなかったらガン=カタは成立しない)
ストーリー:7(ガン=カタの披露につないでくれてたら何でもよかった)
映像・演出:8(ガン=カタは見事)
殺陣:9(少し冗長のきらいはあるが、全体として見事)
ファッション:7(感情発露が禁止されてる世界のくせにオサレ)
というわけで総合評価は50満点中39点。
構えて、撃って、倒れるのガンアクションに飽きた人にオススメ。
流麗な戦闘シーンが大好物な人に超オススメ。
警察が絶対的な力を持つ第三次世界大戦後の管理国家を背景に、銃と刀を融合させた「ガン=カタ」と呼ばれる武術を操る主人公が活躍する物語。ツッコミどころ満載のB級映画で、ストーリーも単純そのものですが、「ガン=カタ」の目新しいアクションはなかなかのものです。ただ、よくマトリックスと比較される作品ですが、それほどではないかと・・・。