雨(1932):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
雨(1932)
雨(1932)
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雨(1932)

1932年公開、94分
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「蜃気楼の女」「令嬢殺人事件」主演のジョーン・クローフォードをMGMから借りて「犯罪都市(1931)」「西部戦線異状なし」のルイス・マイルストーンが監督製作した映画で、W・サマセット・モームの小説に基いてジョン・コルトンとC・ランドルフが合作した有名な舞台劇を映画化したもの。脚色には「西部戦線異状なし」のマクスウェル・アンダーソンが当たり、キャメラは「令嬢殺人事件」「蜃気楼の女」のオリヴァー・マーシュが担任した。クロフォード嬢を助けて「狂乱のアメリカ」「北海の漁火」のウォルター・ヒューストンを始め、「百米恋愛自由型」のウィリアム・ガーガン、「ルンペン紳士」「拳闘のキャグネー」のガイ・キッビー、「犯罪都市(1931)」のマット・ムーア及びウォルター・カトレット、「街の風景」のビューラー・ボンディ、ケンドル・リーが出演。

ストーリー

またしても雨である。降って降ってこの世の終わりまで降り続く雨の下に、南海パゴパゴ島の土はいつも濡れて土地は泥沼、人の心は重苦しく打ちひしがれている。どうかして、その雨が降りやむ瞬間があるのだが、それは次の雨への休息の、ほんの僅かな時間に過ぎない。サディ・トンプスンは、とうとうこんな島まで来てしまった。生まれたのはカンサスだった。サンフランシスコへ行って働いていたのに、あられもない罪名を着せられて、逃げてホノルルへ行った。やがて彼女はイヴェイリの女にまでなり下がった。人に後指をさされる魔窟の女。一目見て、それとわかるしがない稼業の女。彼女は船に乗っていた、南洋アビアが彼女の落着く先だ。けれど、伝染病の発生が、船の乗客たちを、2週間パゴパゴ島に止めることにしてしまった。パゴパゴの雨の下、島にただ一軒のホテル、ジョー・ホーン爺さんの雑貨店が彼女たちのたまり場だった。サデイの他に、伝道師デヴィッドスン夫妻や、マクファイル夫婦がいた。今まで人の世から白い眼で睨まれて来たサデイは、こんな未開の土地へ来ても、堅気の人々の白い眼を避けることが出来ない。頑強な信念を持つ伝道師デイヴィッドスンは、この汚れた女の性を救ってやろうと思った。暴力に訴えても彼は女を救わなければならぬ。アメリカへ帰って、たとえ無実にせよ、犯した罪の償いを受けるがいい、その魂を救うために。最初、サデイは、こんなお説教を鼻であしらうことが出来た。昨日は昨日、今日は今日、これが彼女の生き方だ。島に駐在しているオハラ軍曹が、サデイに優しくしてくれた。孤独の彼女には、それが悦びだった、2人は恋に堕ちた。サデイの前半生がどうあろうともオハラは彼女を連れてシドニーへ逃げる、新しい生涯が、そこで始まる。デイヴィッドスンの目をかすめて、そんな準備がすすめられていた。オハラが、サデイとの交際が醜聞として伝えられ、営倉へ入れられた夜のことだった。デイヴィッドスンは、この倫落の女の前に立ちはだかった。その眼には信仰の火が燃え、その言葉は、神の使いのように敬虔だった。女の魂は打ち負かされたのである。オハラが脱走した夜、サデイはまるで別人だった。彼女は殉教者としての生活に入った。肉の悦びを棄て、サンフランシスコへ帰り、刑に服する償いの日をひたすら待つ。一緒に逃げようというオハラの言葉さえ、彼女には悪魔の囁きの如く聞こえるのだ。彼女を愛すればこそ、オハラは去って行った。サデイの魂を神よ清め給え。その夜、相変わらずの雨だ。デイヴィッドスンは、彼女の部屋の窓下にいた。原住民の打つ太鼓の音、執拗な雨の音。寝つかれぬ彼は、窓辺を歩いた。かつて救った女の安らかな寝息が聴えて来る。雨、雨。神の使徒は、1人の人間になった、野獣になった。夜が明けると、女の部屋からセントルイ・ブルースの音色が捨て鉢な調子で流れて来たのだ。たまたま訪れたオハラも、ホーン親爺が目をみはったのはいうまでもない。部屋が開いて、昔のままの姿でサデイが立っていた。イヴェイリの女としての姿だ。そして、その瞳は裏切られた憤怒に燃えている。男なんか、どいつもこいつも豚同然だ!今、しかし彼女の顔から怒りが消えた。島の人々は、伝道師の死骸が昨夜の波に打ち上げられたことを伝える。デイヴィッドスンは罪のつぐないをしたのである。朝の空は珍しく晴れていた。サディは、いつも親切だったオハラを見た。若し、彼が今でも自分を愛してくれるなら。オハラは、変らぬ愛情の手で彼女の肩を抱いた。2人は甦えった心で、シドニーでの新しい生活を明るく心に描いている。

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作品データ

原題
Rain
製作年
1932年
製作国
アメリカ
配給
ユナイテッド・アーチスツ支社
初公開日
1932年
上映時間
94分
製作会社
ユナイテッド・アーチスツ映画


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