善き人|MOVIE WALKER PRESS
MENU

善き人

2012年1月1日公開,96分
  • 上映館を探す

評価、レビューが削除されますがよろしいでしょうか?

英国の劇作家、C.P.テイラーの遺作舞台劇を「Oiビシクレッタ」のヴィセンテ・アモリン監督が映画化。ヒトラーに小説を気に入られたことから予期せぬ人生を歩む文学教授の姿を描く。出演は「ザ・ロード」のヴィゴ・モーテンセン、「グリーン・ゾーン」のジェイソン・アイザックス、「ヴィーナス」のジョディ・ウィッテカー。

予告編・関連動画

善き人

予告編

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1930年代、ドイツはヒトラーの台頭とともにナチ党の色に染められ、それは教育の現場も例外ではなかったが、ベルリンの大学で教鞭をとる文学教授ジョン・ハルダー(ヴィゴ・モーテンセン)は、失職覚悟で党に抵抗する余裕はなかった。介護が必要な母(ジェマ・ジョーンズ)と妻のヘレン(アナスタシア・ヒル)、そして2人の子供たちの生活を背負っていたからだ。1937年4月、総統官邸から呼び出し状が届き、ジョンは党の検閲委員長ボウラー(マーク・ストロング)から意外な申し出を受ける。数年前にジョンが書いた不治の病に侵された妻を夫が安楽死させる内容の小説をヒトラーが気に入り、同様の「人道的な死」をテーマにした論文を書いてほしいという。断るすべもなく仕事を引き受けるジョン。さらに彼は、親衛隊少佐フレディ(スティーヴン・マッキントッシュ)から、執拗に入党の誘いを受け、ジョンは入党を決意、混乱した私生活にも区切りをつけようと思い立つ。母親をブランデンブルクの実家に帰し、ヘレンと別居。数年前から愛人として交際していた元教え子のアン(ジョディ・ウィッテカー)と共に暮らし始める。やがてジョンは学部長に昇進。親友のユダヤ人精神分析医モーリス(ジェイソン・アイザックス)は喜んでくれたが、ジョンの入党を知ると軽蔑の視線を投げつけて去っていく。1938年10月、アンと再婚し、新たな人生を歩み始めたジョンは親衛隊大尉の肩書きを持つまでに出世を遂げていた。そんな中、ジョンの母が孤独な闘病生活に絶望して自殺未遂、そのまま帰らぬ人となった。ある日、パリ駐在のドイツ人書記官がユダヤ人に暗殺される事件が起こり、ベルリンで反ユダヤの暴動が発生。ユダヤ人の家や商店が襲撃され、ユダヤ人たちは警察に連行される。この騒動にモーリスが巻き込まれることを案じたジョンは、駅へ出向き、パリ行きの切符を購入。「今晩自宅へ来てくれ」と、モーリスのアパートに伝言を残す。その直後、党本部への出頭を命じられたジョンは、留守を預かるアンにモーリスへの切符を託すが、結局彼は現れず、消息は途絶えてしまう。1942年4月、親衛隊の幹部としてユダヤ人強制収容所の情報収集を命じられたジョンは、党の誇る最新鋭の設備を使い、モーリスの消息を追う。そのとき初めて、4年前のあの夜に何が起きたかを知るジョン。さらに収容所の視察に赴いた彼は、自分が無意識のうちにどれだけ深い罪を犯していたかに気づき、愕然とする……。

作品データ

原題
Good
映倫区分
G
製作年
2008年
製作国
イギリス
配給
ブロードメディア・スタジオ
上映時間
96分

[c]2007 Good Films Ltd. [c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.0
  • rikoriko2255

    4.0
    2011/12/13

    ジョンが「善き人」かどうかは、単純には言えないけど。
    何の精神的呵責を覚えずに居たわけではないので、まぁ、善良では有ったのだと思う。
    無知だったのだ。専門家には多い、専門馬鹿ってヤツね。無知だったの。
    まぁ、多くの人がそうだったんだけど。

    それに、凄く繊細なのよね。
    精神を保つ為に無意識に現実逃避している。

    でも弱いのは彼だけじゃなくて、息子の重荷になっていると感じている母も、介護から逃避する為にピアノに逃げている妻も。

    息子の名を叫び続ける母と、家事育児介護放棄してピアノを引き続ける妻と、元気いっぱいの姉弟。
    介護と家事と仕事と、良き夫、良き息子、良き父、良き義息子、そして教授で居なくてはならない重圧。
    外に逃げたくなる気持ちは解るのよね。休まらない。本当に休まらない。それにお金も無いしね。

    まぁ、それでも愛人囲う人間は信用できないけど。

    お金があれば介護の人を雇って、母と少し距離を置き、妻も精神的に落ち着き、上手く行ったのかもしれない。
    でもそうじゃない生活を望んだのよね。新しい生活を。
    自分の本を評価された事が、嬉しかったのよね。もっと違う自分になれると思うわよね。

    彼に、ユダヤ人の親友が居なかったらどうだろう・・彼も、他のナチス党員と同じようになったのかな・・
    そうしたら、現実と妄想の区別が付かなくなるようなこともなかったのかな・・
    収容所の様に耐えられるほど強靭な精神を持っていなかったのね。変わり果てた友の姿にも。

    知らない内に自分が親友を陥れる形になってしまった事を知ったジョンは、最終的に母と妻と子供たちからの信頼、そして友、信念、更にアンへの愛情と信頼、平静な精神を失ってしまった。
    その後の彼が心配よ。どうなったのかな・・

    凄く困窮な状況だったけど、忙しくあれこれこなしながら夕食を作り、「台所の天使」と妻に微笑まれていた頃が幸せだったのよね・・きっと。

    前日に『サラの鍵』を見ていたので、こう言うドイツが有ってのああ言うフランス。良く解る。
    フランス警察は写真や記録を残していなかった。ドイツは全てを細かく記録していた・・と言うやり取りが有るんだけど、それがコレね・・と言う、素晴らしい管理システムが出てくる。これじゃ、逃れるのは困難だったでしょうね。
    収容所から・・は兎も角。

    当時を思うと、ぞっとするわ。

    続きを読む + 閉じる -
    ネタバレあり
    違反報告