比嘉愛未
森本千代子
終戦後わずかの昭和21年、佐渡島に不時着したイギリス軍輸送機の乗組員と、彼らをもてなし、再び飛び立つ協力をした島民たちとの国境を越えた友情と絆を描く、実話を基にした人間ドラマ。かつてダコタの搭乗員だった兵士の息子が佐渡島を来訪し、その事実を風化させまいと、地元フィルムコミッションの働きかけで製作された。
※結末の記載を含むものもあります。
昭和21年1月。イギリス空軍の輸送機ダコタが佐渡島の海岸に不時着する。上海の英国総領事を東京まで送る途中、悪天候に見舞われやむなく不時着したものの、機体は砂に埋もれ、乗組員たちは島にとどまらざるをえなくなる。その光景を見ていた千代子の父親で村長の新太郎は彼らを温かくもてなし、乗組員と島民たちの間に絆が芽生えていく。
森本千代子
木村健一
森本新太郎
高橋源治
佐吉
村上敏江
木村とよ
篠田和子
浜中幸三
松乃
望月
ブラッドリーショウサ
デビッドショウイ
[c]「飛べ!ダコタ」製作委員会 [c]キネマ旬報社
毎年8月になると戦争関係の映画上映が増えるのですが、こちらは終戦から5か月後の佐渡島で起った実話を基にした映画ということで、戦闘シーンが無さそうなので見に行ってみました。結論としては、最初から最後まで泣きっぱなし。 母が我が子を思う気持ちの切なさ、校長先生が生徒たちを戦場に送ってしまったことに対する自責の念。足の大怪我で戦地に行くことすらできず故郷に戻り、自分への情けなさと苛立ちで人格が変わってしまった青年はどうして立ち直ったのか。いつも明るく思いやりに溢れた主人公の少女が、どのような思いで悲しみを封印し、愛する青年を挫折から救ったか。不時着したイギリス人たちが心から感謝するほどの島民たちの協力。どのシーンも涙なくして見られず、最後は鼻も詰まって息が出来ないくらいでした。 戦争とはいえ相手国民が憎いわけではなく、そういう時代の中で戦わさせられていただけであり、勝ったからといって偉そうにふるまったりせず、負けた側も卑下するわけではなく、助け合いの精神の下で積極的に協力し合うという人間力が素晴らしい。