亀梨和也
永野均
「時効警察」などの三木聡監督が、第5回大江健三郎賞受賞の星野智幸による同名小説を、KAT-TUNの亀梨和也主演で映画化した不条理ドラマ。ある男が、オレオレ詐欺をしてしまった事をきっかけに、姿だけでなく好みも考えも全く同じな何人もの別の“俺”に遭遇するという異常事態に巻き込まれていく姿を描く。
※結末の記載を含むものもあります。
家電量販店に勤める均は平凡な28歳の青年。ある日、ハンバーガーショップで隣に座った男の携帯電話を持ち帰り、オレオレ詐欺をした事から、奇妙な出来事に遭遇する。なんと、均と同じ顔をした別の“俺”が現れたのだ。サラリーマンの大樹に、大学生のナオは、顔だけでなく、好みも考えも同じで、均は何でも分かりあえる心地よさを感じるように。
監督、脚本
エグゼクティブプロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
原作
撮影
照明
美術
美術
装飾
録音
衣裳デザイン
ヘアメイク
特殊造形
特殊造形
アクション
編集
音楽
[c]2012 J Storm Inc. [c]キネマ旬報社
ひょんなことからオレオレ詐欺じみたことしたら、自分がその息子に入れ代わっちゃった??? 実家に行ってみたら、変な人呼ばわりされ、目の前に自分が。 でもその前にも同じような人が来たらしく、結局俺は3人??? なぜだかみんなと一緒に暮らすようになって、何だか次第にさらに俺が増え........................俺だらけに。 でもあとから増えてきた俺らは、超個性的過ぎて笑える。 なんかこれって多重人格!? で、増えすぎるといけないとかで削除とかなんとか!? なんか意味不明の映画。 世にも奇妙な物語みたいな映画でした。
どうやって俺が増殖したのか?理屈や常識で考えると混乱してしまうけれど、『世にも奇妙な物語』だって思って観ると楽しめた。 いろんな種類の俺を演じた亀梨君は凄い!よくまぁ同じ顔の自分を個人個人のアイデンティティを分けて演じられたものだとびっくり。同じシーンでも違う自分になって何度も撮っていることを考えると大変な労力だったと思われる。間合いもぴったりで、それぞれのシーンが一致している、さすがだ! ちょっとバシバシ叩いたり蹴ったりする箇所が痛々しくて興ざめしてしまったけれど、笑えるユーモラスな小ネタもあってミステリアスな部分もあってハラハラもあって、面白かった。 エンドロールでのKAT-TUNの歌も良く、また流れた映像も見事だった。 誰もが自分の中にいろんな感情を持っている。何が正しいのか?何が本来の自分なのか?どっちを選ぼうか?など日々悩む。監督が何を言いたいのか?この映画の意図する部分はわかりにくいけれど、私的には、人間っていろんな感情をどうコントロールするかが大切だっていう気もした。世の中から周囲から排除・削除されたくない。誰もが人から好かれたいって思うもの。でも、自分を好きにならなければ、誰も好きになれない気がするし、誰からも好きになってもらえない気がする。どんな自分でも自分自身を受け入れる。それが出発点なのでは?そして自分を受け入れてくれる人が1人でもいれば幸せなのかもって思えた。あと、人間ってやっぱり善。罪を犯すと心が痛み、言い訳するかのようにいろんな感情が出て精神が分裂し破壊されやすくなるから、悪いことはできない!って痛感した。