リカルド・ダリン
ビル爆破解体職人・シモン
不運の連鎖によって思いも寄らぬ運命をたどる6人の男女の姿を描き、第87回アカデミー賞で外国語映画賞候補になった、ペドロ・アルモドバル製作のコメディ。元彼と関わりのある人だけが乗った飛行機に乗り合わせたファッションモデル、両親の仇である高利貸しの男への復讐を目論む女性らが経験する意外な物語の結末が描かれる。
※結末の記載を含むものもあります。
仕事の依頼を受け、指定された飛行機に乗ったファッションモデル。話しかけてきた隣の席の男が元彼を知っていた事に驚くが、実は乗客全員が彼と関わりがあり、みんなが彼にひどい仕打ちをしていた事が判明。息をのみ、乗客たちは顔を見合わせるが、その時、CAが思いも寄らない一言を発する。(「おかえし」)
ビル爆破解体職人・シモン
金持ちの父・モーリシオ
新車に乗る男・ディエゴ
花嫁・ロミーナ
料理人
ウェイトレス
音楽評論家・サルガード
監督、脚本、編集
製作
製作
製作
製作
音楽
撮影
製作
美術
衣裳
音響
[c]2014Kramer & Sigman Films / El Deseo [c]キネマ旬報社
①”パステルナーク”あるいは(お返し) ②”レストラン”あるいは(おもてなし) ③”ますますはげしく”あるいは(エンスト) ④”ボンビータ 爆弾屋”あるいは(ヒーローになるために) ⑤”提案”あるいは(愚息) ⑥”死が二人を分かつまで”あるいは(ハッピーウエディング) といった感じで、ブラックユーモアを描いた6編のオムニバス。 アルゼンチン版の世にも奇妙な物語って感じですかね。 ①~④は比較的短めだったけど、でもその方が面白かった。
ブラック系の故、カミさんと共に散々迷いつつも遂に二人で観賞。 ヤバいです。こんな事が我が身に降りかかってきたら耐えられないのでしょうが、他人事と故についつい、微笑み、苦笑いし、呆気にとられ、吹き出し、腹をよじりました。 これは人間の心の厄介な部分を掴んだ、ズルくて美味しい映画です。納得のバッドエンドを味わうことができます。 観ると心に引っ掛かり続けますが、観なければ後悔する怪作です。アルゼンチン+スペインのノリって、どこかフランスとイタリアのブラックに通じるところがありそうです。
お気軽なコメディではありません。テーマとしては、「怒り」かな。人が本当に怒ったときに、どういう行動に出るか。ちょっと肉食系の感じがしないでもないですが。 第3話の「エンスト」はスピルバーグ監督の『激突!』ですね。クルマ社会の恐ろしさが分かります。 第6話の「happy wedding」は、結婚式で花嫁を怒らせるとどうなるかという話。ううむ。怖い!本当に怖いです。
フィクションだから人の不幸をくくくっと笑ってしまうのか。 オムニバス形式で、各ストーリー、短いながらもその中に人間の黒い部分、滑稽な部分を絶妙に取込、観客は派手に苦笑。 お気に入りはヒーローになるために。世界どこでもプチ権力者が庶民の金を巻き上げる。庶民の金で生活できてるっていうのに。こちらもおもてなしの同僚に同意。不満不平をたらすのではなく、行動しろって。かっこいいぜ。 南米人は闘うなぁ。イエスマンではない。結果どうあれ、苦笑いの中にすがすがしさを感じずにはいられない。 元気がない時、凹んでいる時、この映画はその気分を3割回復させてくれる。
人によっては「こんな話あり得ない!」と感じてしまうだろうし、「いや、あり得る!」という人もいるかもしれない6つのブラックユーモアコメディーのオムニバス映画! 正直、ハマりました! ハリウッド映画と違って「あまい」ハッピーエンドはなく、全てがドクドクしくて、共感するシーンも多かったものの、どこか「他人の不幸を楽しむいやな人間」のように鑑賞している自分がいました。(これは、映画の楽しみ方の一つかもしれない・・・) 個人的には、エピソード3の「エンスト」、」エピソード4「ヒーローになるために」、そして、エピソード6の「HAPPY WEDDING」が好きです。 この手の映画は、たまに見るとハマりますね! また、ブラックユーモア好きな方なら結構笑えますよ!
【賛否両論チェック】 賛:容赦のない不条理さが、逆に笑いを誘う。オムニバスなので、上映時間の割には気軽に観られる。 否:話がブラックすぎて、人によっては全然面白くもないものもありそう。「こんな所で終わり!?」と感じるものも。 さすがは海外のブラックユーモア。情け容赦ない不条理や理不尽が次々と襲いくる感じで、不謹慎とは知りつつも、思わずニヤけてしまいます。逆に、こういう笑いが嫌いな人には、全く向きません。 そして、笑いのツボもやはり少し違うようで、ものすごく唐突に終わったり、逆にものすごく蛇足感があるお話もあります。その辺り、この作品との笑いの相性もありそうですね(笑)。 グロシーンや汚いシーンも結構あるので、ご注意を。ただオムニバスなので、案外気軽に観られる映画です。