門脇麦
白石珠
小池真理子の小説を、文化庁・芸術祭大賞に輝いたドラマ「ラジオ」などを手がけた映像作家の岸善幸が大胆に脚色し映画化したサスペンス。大学院の修士論文のため、見知らぬ男の尾行を始めた女子学生が、男の知られざる姿を知り、尾行にはまっていく姿を描く。門脇麦がヒロイン役を、その対象となる男を長谷川博己が演じる。
※結末の記載を含むものもあります。
大学院の哲学科に通う珠は担当教授の篠原から、修士論文のテーマとして、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかけられる。理由なき尾行に戸惑う珠だったが、書店でマンションの隣の一軒家に美しい妻と娘と共に住む石坂を発見。作家のサイン会に立ち会っていた彼を尾行しようとする。
監督、脚本
原作
エグゼクティブプロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
撮影
DIT
照明
録音
美術
衣装
ヘアメイク
音楽
キャスティング
ラインプロデューサー
[c]2015「二重生活」フィルムパートナーズ [c]キネマ旬報社
【賛否両論チェック】
賛:“尾行”を通して、他人の本性を覗き見た主人公の葛藤が率直に描かれ、不思議とハラハラさせられる。大学教授のサイドストーリーもまたしかり。
否:描写自体は淡々としているので、興味を惹かれないと眠くなるかも。必然性に疑問の残るラブシーンもかなりあり。
論文のテーマがきっかけで、“尾行”という禁断の世界に足を踏み入れてしまった主人公が、対象の人間の本性を垣間見てしまう様子が、まるで主人公の視点を追体験しているようで、淡々としているのに思わずハラハラさせられてしまいます。
そんな主人公のストーリーとは別に、彼女に尾行を勧めた大学教授・篠原の、こちらは切ない“二重生活”にも、“家族”が持つ意味について、改めて考えさせられます。
「・・・必要?」
と思ってしまうようなラブシーンも結構ありますので、好みは分かれそうですが、妖しくてどこか惹かれる“尾行”の世界を、ご覧になってみて下さい。