ジェレミー・アーヴァイン
Danny Winters
ローランド・エメリッヒ監督が1969年に起きた実際の事件“ストーンウォ-ルの反乱”を基に映画化。インディアナ州に暮らすダニーはゲイであることを知られ、故郷を追われるようにニューヨークに辿り着く。彼を迎え入れたのは、美貌を武器に体を売るレイだった。出演は「戦火の馬」のジェレミー・アーヴァイン、「シャドウハンター」のジョナサン・リース・マイヤーズ、「LOVE 3D」のカール・グルスマン、「神様なんかくそくらえ」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、「WISH I WAS HERE僕らのいる場所」のジョーイ・キング、「ムーン・ウォーカーズ」のロン・パールマン。脚本を「ニューヨーク 最後の日々」のジョン・ロビン・ベイツ、撮影を「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」のマルクス・フォーデラ―、音楽を「アデライン、100年目の恋」のロブ・シモンセンが担当する。
※結末の記載を含むものもあります。
インディアナ州から、N.Y.グリニッジ・ビレッジのクリストファー・ストリートへやって来たダニー(ジェレミー・アーヴァイン)。ゲイであることが発覚し、両親に見放され恋人のジョーにも裏切られ、追われるように故郷を出た孤独なダニーを迎え入れたのは、この街で美貌を武器に体を売って暮らすゲイのギャングを率いるレイ(ジョニー・ボーシャン)だった。ダニーは彼らの部屋に住まわせてもらい、常に陽気に歌って踊りながらたくましく生きていく仲間を得てゆく。身を寄せ合い暮らす様々なゲイやレズビアン、ドラァグ・クイーン、そして政治活動家のトレバー(ジョナサン・リース・マイヤーズ)……。だが、セクシュアル・マイノリティに対する迫害と差別、警察の不当な捜査はますます激化。日常的に警察に理不尽に殴られ、客にはレイプされ暴行を受ける過酷な日々が彼らの現実だった。そんなある日、彼らが常連として通うバー「ストーンウォール・イン」に再び警察の捜査が入り、ダニーやレイたちの怒りと不満が爆発。それまで警察に反抗することなく酷い扱いを受け入れるだけだったゲイたちが初めて立ち上がり、そして石を投げた。それは歴史を変える暴動への始まりであった……。
Danny Winters
Trevor
Ray / Ramona
Joe Altman
Orphan Annie
Phoebe
Ed Murphy
[c]2015 STONEWALL USA PRODUCTIONS, LLC [c]キネマ旬報社
今でこそ少しずつ明るくなってきた問題。1970年にNYでこんな事があったのは知りませんでした。
実話が織り交ぜられたストーリーだそうですが、生き難さを感じる人にとってはガツンとくる映画。理想と現実とか自分らしさとか世間体とか色々思いはめぐります。
父親が最後まで歩み寄ってくれなくてもデモ行進に母と妹が行くのを許したのだから二人の姿を見付けた時のダニーの顔は印象的でした。
あれから半世紀が経ち、この先どんな風になっていくのかはリアルに見ていくんだろうなと思いました。
今だってLGBTは物議を醸しているのだから当時はそれを隠したり、卑下されたり肩身の狭い思い存在だった。大っぴらにドラッグクイーンでいても世間から打ち負かされる。経済的に余裕がなくて体を売るしかなかったり。心はいつか自分たちを見下した人間に打ち勝ってやるという強い心でいたいが、ダニーのような外見ノーマル、家族に拒絶され途方にくれる人がずっと多かったはず。田舎になればなるほど。デモや抗議は今も報道されるが、その第一歩はとても勇気がいるし、信念がないと散ってしまう。
基本、ダニーは真面目。将来を見据え勉学にいそしみ、家族の絆も大事に思う。
LGBTが異質なのではなく自己表現の一つに過ぎない。
カミさんのお供で観賞。
アメリカが、世界が反戦平和・平等非差別に動き出した切っ掛けの一つとも言われている“ストーンウォ-ルの反乱”を、こういう作品に仕立て上げたことに拍手です。
性だけでなく色々なマイノリティが差別迫害を受けていた凄惨な時代だったと思います。追い詰められたヒューマンパワーの爆発、この事件の2ヵ月後にウッドストックが開かれたということも頷けます。
ジェレミーやジョニーほか若手が素晴らしい迫真の演技を見せてくれますが、ジョーイさんの素敵な妹役や、ロンさんの捻りの効いた燻銀の演技も見逃せません。
観ておくべきヒューマンドラマです。