ジェマ・アータートン
カトリン・コール
1940年、第二次世界大戦下のロンドンを舞台に、プロパガンダ映画の脚本家に抜擢された女性が、様々な困難に直面しながらも、映画製作に挑む姿を描く人間ドラマ。『007 慰めの報酬』でボンドガールを務めたジェマ・アータートンが執筆経験のない新人脚本家に扮し、周囲の人々に助けられながら成長していく姿がつづられる。
※結末の記載を含むものもあります。
コピーライターの秘書カトリンは、政府が国民を鼓舞するために製作するプロパガンダ映画の脚本家としてスカウトされる。題材は、ダンケルクの戦いでドイツ軍の包囲から撤退するイギリス兵を救おうとする双子の姉妹の物語だ。カトリンは上司のバックリーらと共に脚本を進めるが、厳しい検閲や政府の要望に悩まされることになる。
カトリン・コール
トム・バックリー
アンブローズ・ヒリアード
エリス・コール
ソフィー・スミス
レイモンド・パーフィット
フィル・ムーア
ロジャー・スウェイン
サミー・スミス
陸軍長官
カート・ランドベック
[c]BRITISH BROADCASTING CORPORATION / THEIR FINEST LIMITED 2016 [c]キネマ旬報社
脚本家としての才能が開花して強く生きる女性のお話なんだけど私はもっと楽しいストーリーだと思っていました。 ダンケルクの救出作戦の事を事前にチェックしてから見たので時代背景も分かりました。全体的には明るいんだけど、戦時中という事もあり「明日どうなるか分からない」という緊張感が常にありました。実際に空爆で人々が亡くなっていきます。プロパガンダ映画を作るわけですが、制作側は思ったよりすんなりと受け止めてその辺が重要なテーマではないんだなと思いました。作っている映画が進行形で入ってくるのが2本映画を見たような気がして面白かったです。 カトリンを取り巻く人達は個性的ですが良い人ばかりで羨ましい環境で仕事をしています。バックリーと惹かれ合うだろう事はすぐに分かりますが結末は酷いですよ。そりゃないぜ、と皆思いますよ。あの時振り向かなかったら…。それでも明日を生きていかなきゃならない当時の人達の前向きな生き方を知れたような気がします。 ヒリアード役のビル・ナイはさすがの存在感で女優陣も最高。バックリー役のサム・クラフリンがどんどん柔らかくカッコ良くなっていくのが素敵でした。あのプロポーズは好きです。
1940年、第二次世界大戦下のロンドンで、成り行きで映画の脚本を書くことになった女性の自分探しの成長ドラマ! 主人公の前向きに働く姿勢は、まさに「働く女性の見本」的で、ある意味よくあるドラマの展開でした。 映画作りの難しさを加えながらの人間模様は笑いを誘い、面白かったのですが、主人公の「男運の無さ」は、前向きな分ギャップが大きくて、「かわいそう」な気持ちも倍になった感じです。 主人公が恋人と別れる時に「あなたが私の大きさを間違えたのよ!」というセリフが印象に残りました。
キュンキュンな少女マンガぽい展開ではあるものの、脚本がテンポよく、地味なキャストながらそれぞれいい仕事しており、いい映画でした。 のんきに映画を作っているだけではなく、戦時下なので悲惨なシーンもありますしね。。 余談ですが、二言目には紅茶を飲めば大丈夫みたいなことをみんな言うところが、さすが英国。
映画製作の中を映画にするって過去にもあるが、この映画は戦時中というのがポイントだ。幸い「ダンケルク」が先に公開しているのでその史実内容を知っているとわかりやすい。 映画は脚本が要だ。記憶に残る映画はstory。それを膨らませるのが監督であり役者。脚本がクソだといくら他が良くとも名作、秀作にはならぬ。 カトリンは真面目である。夫の代わりに自分が稼ぎ、自分で結婚指輪を用意たり…さすがに夫の不埒行為では自分の行動に歯止め。これも映画製作に自分の居場所を見出したことも大きい。洗濯屋や配給係ではなく脚本家。しかも映画公開に向かっているのだからその才能に自身が持てる。 戦時中だから一般人も生死に関わることは必須だが、トムの死は不運というかそりゃないでしょう。(観客全員思ふ)それはようやくカトリンと心が繋がった矢先。 人生はupdownの連続であり、その落差が多いほど人生の厚みは増す。 ヒリアードのちょっとトボけたユーモラスが素敵。 そして映画は人にとって大きな娯楽であり、映画館での作品と観客の繋がりもとても重要。