ヘラ・ヒルマー
ヘスター・ショウ
ピーター・ジャクソンが製作を務め、フィリップ・リーヴの小説を映画化したSFファンタジー。車輪で大地を移動し、他の都市を次々と飲み込んでいく巨大都市“ロンドン”と、その指導者への復讐を誓う少女との戦いを描く。『キングコング』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞したクリスチャン・リバースの初監督作となる。
※結末の記載を含むものもあります。
たった60分で文明を崩壊させた最終戦争後の世界。残された人類は空や海、そして車輪で移動する都市で暮らしていた。その中でも巨大な移動都市“ロンドン”は他の小さな都市を捕食し、資源や労働力を奪い生活していた。幼い頃に母親を殺されたへスターは、仇でありロンドンの指導者であるヴァレンタインに復讐を果たそうとする。
ヘスター・ショウ
トム・ナッツワーシー
サディアス・ヴァレンタイン
アナ・ファン
ベヴィス・ポッド
キャサリン・ヴァレンタイン
マグナス・クローム
シュライク
ヘスター・ショウ
アナ・ファン
ベヴィス
トム・ナッツワーシー
キャサリン・ヴァレンタイン
サディアス・ヴァレンタイン
シュライク
監督
原作
脚本、製作
脚本、製作総指揮
脚本、製作
製作
製作
製作
撮影監督
プロダクション・デザイン
製作総指揮
編集
衣装デザイン
音楽
[c]Universal Pictures [c]キネマ旬報社
【賛否両論チェック】
賛:移動都市が捕食し合う中で、少女が支配者に戦いを挑んでいく姿が、勇ましくて痛快。映像美も見事。
否:どこかで観たことあるような要素がとにかく詰め込まれている感が満載。設定や展開等、ツッコみどころもありすぎる。
設定は非常に斬新です。移動する都市同士がお互いに捕食し合い、その他の地は生きるのも難しいという世界にあって、母を殺された少女が仲間を見つけながら、仇の支配者に戦いを挑むという、観ていてハラハラドキドキさせられる雰囲気が楽しいです。
ただ斬新な分ツッコみどころも多く、何より感じてしまうのは、
「何か観たことあるなぁ・・・」
っていう要素がふんだんに盛り込まれていることでしょうか。ヒロインを追う謎の生命体・シュライクや、お尋ね者の女性革命家、壁に守られた第三の都市での攻防等々、どうしても既視感があるものがとにかく詰め込まれている感が否めないのも事実です。
とはいうものの、こんな世界を見事に体現している映像技術は圧巻ですので、気になった方は是非ご覧になってみて下さい。
原作があるなら仕方ないけど、脇道減らして筋をまとめて「ロンドンぶっ壊すべし」一直線でもよかったような。もっとロンドンがメキメキ動くところが見たかったかなー。後半はほぼ自走砲ですし。妙に続編に色気があったところもイマイチ。
遥か未来、戦争で全世界の都市が滅び、街ごと移動しながら他の移動都市を飲み込み、掠奪して食料などを奪う時代、という荒唐無稽でバカバカしくもとんでもない設定。
メカデザインがスチームパンクっぽく。
『マッドマックス』シリーズ+『スチームボーイ』+『ブレードランナー』みたいな、よくわからない世界。
マッドサイエンティストが暴走して世界を乗っ取ろうとするのを、少女が防ごうと奮闘し、出会った青年が助ける……
ってストーリーラインは『ラピュタ』や『未来少年コナン』っぽく、城が動くのは『ハウル』っぽくもあり。
好きな系統の作品要素を、これでもかと詰め合わせ。
原作は相当長い小説らしく、それを2時間ちょいにまとめた結果、すんごい雑なありがち映画と化してて。
いやもう、ここまで金かけて堂々とバカをやってくれて、とっても面白かった。
(逆に原作ファンには噴飯ものかもしれないけれど)
きゃっきゃと盛り上がって、観終わると何にも残らない、正しい(褒め言葉の)バカ映画。
バカ映画ファンには、全力でオススメします。