氷原の情炎:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
氷原の情炎
氷原の情炎
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氷原の情炎

1929年公開
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「南海の薔薇」「鉄仮面」「世話女房」等のアラン・ドワンの監督に成るもの。エリオット・レスターの舞台劇をば、「老番人」「幸運の星」等のソニア・レヴィーンが脚色し「氷に閉ざされて」等のオーウェン・デイヴィスが台詞を受け持っている。「紐育の波止場」「女の一生」「アビーの白薔薇」等のハロルド・ロッソンが撮影を担当している。俳優は、ベラスコ門下のレノア・ウルリックが第1回のトーキー主演であり、「沙漠颪(1926)」「ドレーク事件」等のロバート・フレイザーと、「ソレルとその子」「テムペスト(1928)」「西部戦線異状なし」等のルイス・ウォルハイムとが助演する。

ストーリー

ラナクはイヌイットの酋長であった。彼はヨーロッパとアジアとの血をうけていた。妻のタルーは白い皮膚をば誇っている。そしておまけに彼女は美しい多情な女であった。そころへ船長ジム・ジョーンズといういかさま商人がやって来る。船には見かけ倒しの安物を積み込んで原住民たちの持っている高価な毛皮と交換しようとするのだ。併しラナクたちはこの商人達が態の良い泥棒であることを知っていたので、女房たちが交換に出かけるのを邪魔するが駄目であった。交換場--そこでジョーンズはタルーに目をつける。甘い言葉と見かけ倒しの上衣とで彼女にとり入る。喜んだ彼女はその代償として銀狐の毛皮を売り渡す。これを見たラナクは怒って毛皮を船長の手からひったくる。争いが怒ろうとするが、一等運転士で悪漢仲間では「公爵」で通っている男の計らいで事無く済む。だがその夜、船内で催された宴会に、夫の目を盗んでタルーはそこへ出席する。ジョーンズとタルー。2人はお互いに酔っぱらっていた。外は激しい嵐であった。女を取り戻すためにラナクたちの一隊がやって来る。彼の目に触れたものは妻とジョーンズのしどけない酔態であった。突然、氷塊が船に突き当たる。ラナクとタルーとは逃げる。家に帰るとラナクは激しく妻を責めた。タルーは船長のもとに身を寄せる。ラナクは後を追って来た。船長の放った1弾がラナクに命中した時、彼女はその側に身を投げた。船長は彼女を橇に乗せて去る。幾月かたった。船長に身を任せたタルーは安カフェに働く唄い女でしかなかった。その時、1899年。「ゴールド・ラッシュ」。町という町は黄金を求める男たちの群れでにぎやかな光景を呈した。ラナクはいまだ癒えぬ傷の痛さをこらえてそこへやって来たが、タルーは彼女を心から愛し始めていた「公爵」にせがんで橇を仕立てて昔なつかしい地へ帰ろうとしていた。これを知った船長は「公爵」を殺した。そして代わってタルーと共に橇を走らせる。誤って橇は崖から落ちる。追いついたラナクはタルーを救う。船長は惨死する。だが、タルーはラナクの胸に抱かれながら、あの世で再び相会うことを約束しながら息絶えるのであった。

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作品データ

原題
Frozen Justice
製作年
1929年
製作国
アメリカ
配給
フォックス支社
初公開日
1929年
製作会社
フォックス映画


[c]キネマ旬報社