
エリオット・グールド
フィリップ・マーロウ
ロサンゼルスのネオンの中を事件を求めて、しかも一抹の感傷を抱いてさまよう私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするレイモンド・チャンドラーの小説の映画化。製作指揮はエリオット・カストナー、製作はジェリー・ビック、監督は「ギャンブラー」のロバート・アルトマン、脚本は「リオ・ロボ」の女流ライター、リーブラケット、撮影はビルモス・ジグモンド、音楽はジョン・ウィリアムス、編集はルー・ロンバードが各々担当。出演はエリオット・グールド、ニーナ・ヴァン・パラント、スターリング・ヘイドン、マーク・ライデル、ヘンリー・ギブソン、デイヴィッド・アーキンなど。
※結末の記載を含むものもあります。
靴をはいたままベッドでうたた寝をしていた私立探偵マーロウ(エリオット・グールド)は、腹をすかせた猫に起こされてしまった。真夜中の3時、あいにくペットフードを切らせていたので、オールナイトのスーパー・マーケットに買い物に出た。だが、せっかく買ってきたペットフードが口にあわないのか、猫はふらりと外に出ていってしまった。猫と入れ代わりに友人のハリー(デイヴィッド・アーキン)がやってきた。夫婦喧嘩の末、家を飛び出し、頭を冷やしにメキシコに行くという彼を、マーロウは、メキシコ国境の町まで車で送ってくことになった。翌朝帰ってくると、ハリーの妻が殺されたことを知らされる。ハリーを匿っていると疑われたマーロウは警察にしょっぴかれたが、ハリーがメキシコのある町で自殺したため、すぐに釈放された。翌日、マーロウの元に高名な作家ウエイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーンから、行方不明の夫を捜してほしいと依頼があった。早速ウエイド家を訪ねたマーロウは、夫人から「助けて下さい。ドクターV」というメモを見せられ調査に乗り出した。“ドクターV”とは、神経科のバリンジャー博士であった。作家として自信を失ったウエイドは、バリンジャーの病院で酒びたりの毎日を送っていたのだ。さっそくウエイドを病院から連れ戻して、一件落着かと思ったが、マーロウがアパートに戻るといきなり大勢のやくざに取り囲まれる。彼らはハリーの持ち逃げした大金をマーロウが隠していると信じているのだ。マーロウが一味の車を尾行すると、車はウエイド家に入っていった。事件の複雑な展開に行き詰まりを感じたマーロウは、ハリーの自殺したメキシコの田舎町オタトクランを訪れたが、何の手がかりもつかめなかった。再度ウエイド家を訪れると、ウエイドは多額の診察料を請求するバリンジャーとトラブルを起こす。その夜、酔ったウエイドは海に入って溺死してしまった。マーロウは35万ドルの行方を追っているやくざのマーティ(マーク・ライデル)に再び捕らえられ、あやうく拷問にかけられそうになったが、誰かから突然金が返された。解放されたマーロウの前をウエイド夫人の乗った車が走り抜けて行く。追跡しようとしたマーロウは車にはねられ、病院にかつぎこまれたが、幸いけがはたいしたことなく、その足でウエイド家に行ってみるが、夫人はすでに引っ越した後だった。ウエイド夫人の暗躍にハリーの存在を感じたマーロウは、再度メキシコに飛んだ。検死官に5千ドルの賄賂を握らせると、ハリーの死が偽装自殺であったことが明らかになる。ウエイド夫人はハリーの愛人だったのだ。いまやハリーはウエイドの莫大な遺産を手中に収め、のうのうと暮らしていたのである。男の友情に裏切られたマーロウは、ハリーに銃口を向けて引き金を引いた。並木道でジープに乗ったウエイド夫人とすれ違ったマーロウは、気付かぬふりをして黙って立ち去っていくのだった。
フィリップ・マーロウ
アイリーン・ウェイド
ロジャー・ウェイド
マーティ・アウグスティン
ドクター・ヴァーリンジャー
Harry
監督
脚本
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
編集
字幕
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