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インタビュー 2020/7/14 19:30

「相棒」をきっかけに…現役大学生が自力で監督デビュー!

「はじめまして。法政大学3年生の谷口雄哉です」
新型コロナ禍で、一人の大学生が監督デビューを果たした。映画やテレビが制作手段の工夫を求められるなか、「いまだからこそ世間に発さなければ」とリモートドラマ「ダブル・アンコール」を制作し、YouTubeに公開した彼に、MOVIE WALKER PRESSはリモート取材を行った。映像制作への情熱と信念を語ってくれた谷口氏の熱量をそのままにお届けする。

法政大学3年の谷口雄哉
法政大学3年の谷口雄哉

現役大学生でありながら、すでに数々の国民的テレビドラマや映画の制作現場に携わってきたという谷口。「小学生時代、帰宅時にちょうど再放送していた『相棒』をよく観ていました。そのなかで、冷凍イカで人を殺し、調理して証拠隠滅してしまう『殺人晩餐会』など、展開の斬新さに衝撃を受けた回が多く、自然と“視聴者”から、“作る側”への興味を持ちました」

初めてテレビドラマの制作現場を訪れたのは、中学生の頃だった。「職業見学で、学生自身がアポを取って職場訪問するという課題がありました。この機会を逃すまいと東映の撮影所に自分で連絡し、憧れの現場を訪れることができたんです」。現場では、多くのスタッフや主役級の俳優が谷口に近寄り、セットや機材について丁寧に説明してくれたそう。
「その流れで、ついに橋本一監督ともお会いすることができました。現場でスイッチが入った時の橋本監督はとにかくかっこよく、職業として“監督”に憧れるようになりました。橋本監督は、なにもわからない僕に脚本の書き方を教えてくれ、それが僕の一番の原点となり、いまも将来は橋本監督のような監督になりたいと思っています」

【写真を見る】ここまで育ててくれた師匠、「相棒」の橋本一監督と
【写真を見る】ここまで育ててくれた師匠、「相棒」の橋本一監督と

「最期の教えは『覚悟が有れば映画は伝わるし、覚悟がなければ意味がない』でした」

コロナ禍でのドラマ制作を決心した理由には、師と仰ぐ佐々部清監督が今年3月に急逝されたことが大きいと言う。
「佐々部監督とは東映の食堂で出会い、これまで非常にお世話になりました。偶然にも、佐々部監督との最後のやり取りは『覚悟が有れば映画は伝わるし、覚悟がなければ意味がない』という、信念のようなメッセージでしたね。一緒に映画の話をすれば、自分の作品を語って涙が出るような熱い人。全力で取り組んだ分だけ苦労や思い入れがたくさんある佐々部監督の言葉は重みがあり、急逝されたことが動き出すきっかけになりました」

「佐々部監督に『できる助監督ってなんですか?』と質問した際に、ありえない質問だ、とかなり怒られたことがあります。『例えばスポーツの監督に、できる選手ってなんですか?と聞きますか。客観的に見なさい。君は監督になりたいんじゃないのか。僕は常に監督を目指してきた』と。長く学ばせていただくなかで、正直『うるさいなあ…』と思う時もありましたが(笑)、佐々部監督や橋本監督が、相談したら返事をくれていたという環境は、当たり前のことではありませんでした。自分がどれだけお世話になっていたのかを、佐々部監督亡きいま、痛感しています」

佐々部監督とは東映の食堂で出会い、亡くなる直前までやり取り
佐々部監督とは東映の食堂で出会い、亡くなる直前までやり取り

『ダブル・アンコール』
この春、新社会人として歩み出した、マコト、アキラ、タツヤ、アカリの4人は、城和高校サッカー部出身。高校卒業から4年、各々が新しい社会へ足を踏み出すが、世間はコロナ禍により自粛状態。そんななか、マコト主催のリモート飲み会が開催される…。