『劇場』の山崎賢人と行定勲監督を直撃「嫉妬心は誰にでもあるもの」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『劇場』の山崎賢人と行定勲監督を直撃「嫉妬心は誰にでもあるもの」

インタビュー

『劇場』の山崎賢人と行定勲監督を直撃「嫉妬心は誰にでもあるもの」

【写真を見る】『劇場』の山崎賢人と行定勲監督を撮り下ろし!恋愛における男女の距離感を語る
【写真を見る】『劇場』の山崎賢人と行定勲監督を撮り下ろし!恋愛における男女の距離感を語る撮影/河内 彩

映画『キングダム』(19)や『ヲタクに恋は難しい』(20)、テレビドラマ「グッド・ドクター」などの近作を観てもわかるが、役柄に対して真摯なアプローチをし、常に結果を出してきた人俳優、山崎賢人。最新主演映画は、お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹による恋愛小説を映画化した『劇場』(公開中、Amazon Prime Videoで全世界独占配信中)で、役者としてまた新たな扉を開いた。メガホンをとった行定勲監督は、「山崎のすごく澄んだ目を“濁らせる”ところから始めました」と言う。初タッグを組んだ2人に、本作の撮影秘話を聞いた。

理想と現実とのギャップにもがきながら、劇作家を目指す主人公の永田役を山崎が、彼と恋に落ち、献身的に彼を支えようとするヒロインの沙希役を、『蜜蜂と遠雷』(19)の松岡茉優が演じた。本作では、互いに夢を持って上京した2人が出会い、肩を寄せ合って生活していくなかで、次第に葛藤していく7年間が丁寧に描かれる。

友人と立ち上げた「劇団おろか」で脚本と演出を担当している永田(山崎賢人)
友人と立ち上げた「劇団おろか」で脚本と演出を担当している永田(山崎賢人)[c]2020「劇場」製作委員会

行定監督と言えば、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)や『ナラタージュ』(17)など、時代を彩るラブストーリーを手掛けてきたが、今回も山崎たちと共に、令和に輝く珠玉の1本を放つ。三島由紀夫の同名小説を妻夫木聡と竹内結子で映画化した『春の雪』(05)の取材時にも感じたことだが、行定監督は、もともと純文学への造詣が深い。

「永田と沙希の恋には、決してわかりやすい障害があったわけではない。お互いに本当の気持ちが言えなかったり、相手の気持ちを受け止められなかったりと、内面的な行き違いから、少しずつこじれていきます。心情的な部分で言えば、いわゆる純文学です。映画は基本的にエンタテインメントですが、娯楽的な要素に加え、僕としてはもう少し芸術的な側面も表現したかった。今回、純文学を映画化するという意味で言えば、主演となる俳優には、この映画を世の中に広める役割をしてくれる人がいいなと思いました」。

人気と実力を兼ね備えた山崎は、すでにその時点で申し分がないと言えるが、キャスティングではもう一段階「いままで永田のような役をやっていない人」というふるいがかけられた。

山崎賢人の魅力について語った行定勲監督
山崎賢人の魅力について語った行定勲監督撮影/河内 彩

「プロデューサーから『山崎賢人はどうだろう?』という話が出た時、なるほど新鮮かもしれないと思いました。山崎は、数々の恋愛映画に出演してきたけど、そのイメージをいい意味で裏切る、と言うとおこがましいけど、彼が培ってきたものとは違うなにかを打ちだしてくれるのではないかと思いました。それで、彼のプロフィール写真にヒゲを描いてみたら、似合うなと感じたんです。ヒゲを生やせば、相当色気も出てくるし、ちょっと大人びた感じになる。山崎が演じることで永田の可能性がまた、違うところで広がっていくなと思いました」。

※山崎賢人の「崎」は立つ崎が正式表記
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