海外ドラマファンが楽しめる「連続ドラマW 鉄の骨」3つのポイント【レコメンW】
レコメンド2 半人前社員の成長ドラマ
見どころの2つ目は、主人公・平太の成長ドラマであることだ。中堅どころの建設会社とはいえ、大学の建築学科を出て、ビルを建てる現場で働くことに意義を感じている平太。彼は建設現場で作業員の不用意なタバコのポイ捨てを許せない、生真面目で愚直な青年だ。そんな平太が、全くの畑違いである業務部で、会社の命運を握るような公共事業を取るために奔走。談合の仕組みもよく知らず、先輩たちから一から学んでいきながら自分の居場所を見つけていく。
「半人前の人間が成長していく。そういう意味では海外ドラマの『SUITS/スーツ』を彷彿とさせます。天才的な頭脳とズバ抜けた記憶力を持つ青年が学歴詐称して、大手法律事務所で働くことになるというリーガル・ドラマです。同作で主人公の能力を見抜き、弁護士のイロハを教えていく敏腕弁護士の姿は、『連続ドラマW 鉄の骨』では内野聖陽演じる常務の尾形や、中村獅童演じる先輩・西田にも重なります。平太はある種、適材適所とも言う場所に放り込まれて、建設業界の闇も間の当たりにしながら次第に成長していく。池井戸ドラマならではの痛快さはあるのですが、平太が一人前に成長していく一抹の寂しさというか、ほろ苦さも細やかに描かれていると思いました」。
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社会に蔓延する“必要悪”に切り込む
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