浅野忠信、海外進出で行き着いた境地を語る。『マイティ・ソー』から『ミッドウェイ』までハリウッドで見た風景
1990年代からアジア映画に出演し、「マイティ・ソー」シリーズでハリウッド進出して以降、ますますボーダレスな活躍が目覚ましい俳優、浅野忠信。『インデペンデンス・デイ』(96)、『2012』(09)のローランド・エメリッヒが監督した最新作『ミッドウェイ』が現在公開中だ。
今後も、妻夫木聡らと出演した中国映画『唐人街探案3(原題)』やジョニー・デップと共演した『MINAMATA』が待機中の浅野が、俳優としてコロナ禍でなにを思ったのか。自身の経歴を振り返り、意外な本音を明かしてくれた。
『ミッドウェイ』は、第二次世界大戦で日本とアメリカが命運を分けたミッドウェイ海戦を描くスペクタクル巨編でありながら、日米両サイドの軍人やその家族にまつわる人間ドラマが織り込まれた群像劇としても見応えがある。主人公は『トランスポーター イグニション』(15)のエド・スクラインが演じる米軍のパイロット、ディック・ベスト大尉で、浅野は山本五十六海軍大将(豊川悦司)の部下である山口多聞少将役を演じた。
浅野は「とても重要な役をいただいたなと思いました」と感謝する。「実在の多聞さんはものすごく優秀な方で、映画のなかでも重要な役割を果たしているので、もちろん出演は即決しました」。
北欧系アメリカ人の祖父を持つ浅野は、戦争映画に出演する際いつも自分のルーツについて考えざるを得ないと言う。
「戦争映画を観たり、自分が戦争映画に参加したりする時、この戦争がなかったとしたら、果たして僕は存在していたのだろうかと考えてしまいます。あの時、アメリカが勝ったから、米軍がやってきていろんな仕事をし、そこでうちの祖父と祖母が出会って僕の母親が生まれたわけだから、そう考えると複雑な気持ちにはなります」。
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