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これ、全部実話!?中国で起きたアンビリーバブルな事件を描く、手に汗握る3本!

コラム 2020/11/2 22:30

これ、全部実話!?中国で起きたアンビリーバブルな事件を描く、手に汗握る3本!

フィクションにはないリアリティと、お約束の枠に収まらない意外性で高い人気の実話映画。この秋公開の作品から、実話に基づく3本の中国映画を紹介する。記録に挑むチャレンジャー、航空機事故、そして密輸がらみの犯罪ものとジャンルやテイストは異なるが、どれも実際にニュースを通して世間を騒然とさせた出来事ばかり。“事実は小説より奇なり”を地でいく、奇跡のドラマを味わってほしい。

エベレスト登頂に挑む登山隊たちの決死の挑戦!『クライマーズ』(公開中)

撮影は実際にエベレストで行われた(『クライマーズ』)
撮影は実際にエベレストで行われた(『クライマーズ』)[c]2019 SHANGHAI FILM GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

1975年、中国は世界で初めてエベレスト(チベット名:チョモランマ)に測量標識を設置、その標高を計測した。この命がけの事業に挑んだ隊員たちの苦闘を描いたのが『クライマーズ』(公開中)だ。1960年、チョモランマ登頂に成功するも、記録のカメラを失ったため世界から黙殺された中国登山隊。その15年後、雪辱を果たすため中国政府は再び登山隊を結成する。

舞台は雪に覆われた標高8848メートルの世界最高峰。刻々と変わる天候や、凍傷や怪我などアクシデントで隊員たちがひとり、またひとりと姿を消す展開は、実話ならではの重みを持つ。製作は、『男たちの挽歌』(86)、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(87)などを手掛けた香港エンタメムービーの巨匠ツイ・ハーク。VFXを駆使したアクション&スペクタクルを盛り込んで、エンタメ作としても見ごたえある作品に仕上げている。

【写真を見る】気象学者を演じるチャン・ツィイーは、おさげ姿(!)の若き日から、エベレストでの過酷な山岳シーンまで熱演!(『クライマーズ』)
【写真を見る】気象学者を演じるチャン・ツィイーは、おさげ姿(!)の若き日から、エベレストでの過酷な山岳シーンまで熱演!(『クライマーズ』)[c]2019 SHANGHAI FILM GROUP. ALL RIGHTS RESERVED.

主人公の登山隊隊長を演じるのは、大ヒット作『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』のウー・ジン。ヒロインの気象観測員に国際派女優チャン・ツィイー、さらにジャッキー・チェンが友情出演して存在感を放つなど、豪華な布陣の超大作だ。

飛行中の旅客機が絶体絶命!『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』

乗客を守り抜こうとする機長役に『マンハント』のチャン・ハンユー(『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』)
乗客を守り抜こうとする機長役に『マンハント』のチャン・ハンユー(『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』)[c]2019 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.

重慶からチベット自治区のラサへ向かう四川航空の3U8633便で、操縦室のフロントガラスが大破。機内の圧力を失った状態での飛行を強いられる―。2018年5月14日に起きた「四川航空緊急着陸」を映画化したのが『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』(公開中)だ。

1万メートルの上空でとつぜん旅客機を襲った未曾有の危機。しかも巨大な雷雲が行く手を阻み、山々が連なる地形のため高度を下げるのも不可という絶体絶命の状況を、クルーはいかに切り抜けたのか? 監督は、「インファナル・アフェア」シリーズや、日本の人気コミックを実写化した『頭文字[イニシャル]D THE MOVIE』(05)のアンドリュー・ラウ。平穏なフライトが一瞬にして悪夢に変わりゆく様は、まさにジェットコースタームービー。

操縦室のガラスが破損したことで、クルーの機体が投げ出されそうに!(『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』)
操縦室のガラスが破損したことで、クルーの機体が投げ出されそうに!(『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』)[c]2019 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.

副操縦士の上半身が機外に放り出されたまま、時速800キロで雲の上を飛行するなど事故を忠実に再現するいっぽう、クルーや個性豊かな乗客たちの人間模様を盛り込むなど映画的な魅力をプラス。黄金のハリウッド70年代パニック映画のテイストを持つ王道的な作品だ。

患者を救ったのは、なんと無認可のニセ薬!『薬の神じゃない!』

中国で大ヒットすると共に、国内外の映画賞でも評価された(『薬の神じゃない!』)
中国で大ヒットすると共に、国内外の映画賞でも評価された(『薬の神じゃない!』)[c]2020 Cine-C. and United Smiles Co., Ltd. All Rights Reserved

経済優先の市場開放により、医療格差が拡大している中国。高い薬が買えない白血病患者が、無認可のインドの薬を密輸して貧しい患者に頒布した2014年の「陸勇事件」をモデルにした社会派コメディが『薬の神じゃない!』(公開中)である。

主人公は、家族の病気やトラブルで困窮する強壮剤の販売店主チョン。ある日彼は、店に訪れた白血病を患う男性リュに頼まれ安価なインド製ジェネリック薬の密輸に手を染める。その高い効果を目にしたチョンは、患者たちのグループを作って大がかりな密輸に乗り出すが…。

金のためにジェネリック薬販売を始めたリュだが、しだいに患者たちのことを気にかけるように(『薬の神じゃない!』)
金のためにジェネリック薬販売を始めたリュだが、しだいに患者たちのことを気にかけるように(『薬の神じゃない!』)[c]2020 Cine-C. and United Smiles Co., Ltd. All Rights Reserved

映画の作りは、目先のことしか考えないチョンが巻き起こす騒動を描いたコメディ仕立て。しかしその端々で医療や貧困、外圧など多くの社会問題が提議され、中盤以降ドラマは徐々にシリアスになっていく。貧しい患者は死を待つか、逮捕される以外に道はないのか? 哀しくも希望がのぞく幕切れは、国の制度の違いを超えて日本人でも共感も呼ぶはず。19年に中国で公開された本作は大ヒット。実際の事件に加え映画のヒットもあり、中国医薬業界を大きく揺さぶることになったというのも興味深い。

文/神武団四郎

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