4人でも6人でもなく、5人だから嵐。「ARASHI's Diary -Voyage-」をメンバーの言葉と共におさらい|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
4人でも6人でもなく、5人だから嵐。「ARASHI's Diary -Voyage-」をメンバーの言葉と共におさらい

コラム

4人でも6人でもなく、5人だから嵐。「ARASHI's Diary -Voyage-」をメンバーの言葉と共におさらい

12月31日(木)のオンラインライブ「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」を最後に活動休止期間へと入る嵐。そんな彼らがテレビでは見せない顔や自然体な姿を見せているのが、Netflixオリジナルドキュメンタリーシリーズ「ARASHI's Diary -Voyage-」だ。1999年9月のデビュー発表から今日に至るまで、国民的アイドルとして走り続けてきた彼らはいま、なにを考えているのか。5人それぞれの思いが伝わる印象的な言葉と共に、本作を振り返ってみたい。

「誰かがいなくなって4人でやるのは絶対に嫌だ」(相葉雅紀)

嵐が衝撃の“活動休止”を発表したのは、2019年1月27日のこと。この日、嵐はメンバーである大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、松本潤の5人全員で会見に登場した。この時に、なにげなく出てきた二宮の「4人でも6人でも嵐ではないと思っているし、嵐という世界の中での価値基準では、5人でなければ嵐ではない。100%のパフォーマンスはできない」という言葉はファンの心を安堵させたに違いない。なぜなら嵐はなくならないし、形が変わることもないと思わせてくれたからだ。

「ARASHI's Diary -Voyage-」では、彼らの“5人”へのこだわりが節々から伝わってくる。特に第1話では、過去のライブMCをフラッシュバックで映しだすシーンがあり、最後に相葉が「誰かいなくなって4人でやるのは絶対に嫌だ」と語りかける映像からも、その気持ちの強さが表れている。

「感謝を伝えるという気持ちを直接自分の言葉で届けたい。その一心でやっているから」(松本潤)

では、嵐は活動休止を発表してからどんな思いで、20周年ツアーを50公演もやったのか。それを一言で表すならば「感謝」に尽きるだろう。第14話では、ツアー中、そしてツアーを完遂したメンバーそれぞれの想いがあふれている。特に印象的だったのは、ツアーに向けた松本の「感謝を伝えるという気持ちを直接自分の言葉で届けたい。その一心でやっているから」という言葉だ。
また、ツアーを終えたあとには、「泣きそうになるのを堪えたのは、ファンのうちわのメッセージ(が目に入った時)だったよね。“たくさんの幸せをありがとう”とか、“20年間ずっと私の青春です”とか、“いつも支えてくれてありがとう”とか。そんなことを言われるとね、悲しくなるほどうれしいよね」と、櫻井もコメントしている。嵐は誰もが知る国民的アイドル。正直、私たちが身近な存在と言うには、恐れ多いほどの大物なのに、彼らはファンと自分たちの間に壁を作ろうとはしていない。上記の松本や櫻井の言葉を見ていると、そんな気持ちにさせられる。

「やれることをやるってだけなんだよね」(大野智)

活動休止までのラスト1年となった2020年、彼らは世界中に「嵐を巻き起こす」と様々な計画をしていた。2008年以来の中国公演や、国立競技場でのコンサート…。しかし、それらの企画は新型コロナウイルスが世界的に蔓延したことで崩れていってしまった。そんな事態を前にしても、彼らは後ろ向きになることはない。実際、自粛期間中に嵐はSNSアカウントを始動させ、ライブ配信やTikTok、リモート紙芝居などでファンや子どもたちを楽しませ続けた。


第15話では、5人が2020年を振り返っており、きれいな言葉だけではなく悔しさを露わにする姿、それでも前を向く姿が心に残る。そして、大野の「やれることをやるってだけなんだよね」という言葉が、彼らが“嵐”として様々な活動をする意味を物語っているようにも思わせる。

「わくわくして待てるように2020年をちゃんと締めくくらないと」(二宮和也)

また、苦渋の決断で無観客での実施となった『アラフェス2020 at 国立競技場』の舞台裏が描かれた第20話の中で二宮は「わくわくして待てるように2020年をちゃんと締めくくらないと、一緒に時間を過ごしてくれる人たちも楽しめないんじゃないかなと思うんだよね。(中略)楽しみきるというのが、俺の中では重要なんだよね」と吐露していた。

実際、これから先の未来、彼ら5人が集まっているのを見られるのが、いつになるのかはわからない。だからこそ、「活動休止にしといてよかったな。逆を言えば、2020年に見せられなかった夢の数々をいつか取りに行こうと思っているけどね、いま」という櫻井の言葉を信じて、ただ、いまは応援できるこの状況を全力で楽しみたい。

文/於ありさ

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