“興収10億円”超えは25本、外国映画の本数が日本映画を上回るのは15年ぶり…数字で振り返る2020年の映画概況 |最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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コラム 2021/1/31 16:45

“興収10億円”超えは25本、外国映画の本数が日本映画を上回るのは15年ぶり…数字で振り返る2020年の映画概況

世界的に蔓延した新型コロナウイルスによる相次ぐ公開延期と映画館の営業休止。そしてコロナ禍がつづくなかで公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(公開中)の社会現象級の大ヒットなど、様々な出来事があった2020年の映画業界。
一般社団法人日本映画製作者連盟は27日、2020年の全国映画概況を発表。昨年一年間での映画館の入場人員や興行収入の具体的な数字や、ヒットの一つの目安となる興行収入10億円以上を記録した作品を振り返りながら、現在も国内の映画館で来場者の安全を最優先した感染対策が行われていることをアピールした。

【写真を見る】『鬼滅の刃』が19年ぶりに日本歴代興行収入新記録を樹立!コロナ禍でもヒット作品が続出
【写真を見る】『鬼滅の刃』が19年ぶりに日本歴代興行収入新記録を樹立!コロナ禍でもヒット作品が続出[c]吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

2020年の総入場人員は1億613万7000人で、2019年の1億9491万人から45.5%減少。日本映画製作者連盟のホームページに掲載されている過去のデータによれば、統計が開始された1955年以降で最低の入場人員に。また累計興行収入も、現在の集計方法に変更された2000年以降で過去最高の成績となった2019年の2611億8000万円から一転、45.1%減の1432億8500万円と、こちらも過去20年間で最低の成績に。

興行収入10億円以上を記録した作品は、日本映画では21本に対し外国映画ではわずか4本。最も高い興行収入を記録したのは『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で、今回の発表時点では365億5000万円と全体の20%以上を占める。『千と千尋の神隠し』(01)を上回り日本歴代興行収入の新記録を打ち立てており、現在もその記録を更新中だ。
以下、日本映画に限定すると『今日から俺は!!劇場版』の興行収入53億7000万円、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が38億4000万円、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』が33億5000万円、『事故物件 怖い間取り』が23億4000万円と、21作品中11作品が昨年4月の緊急事態宣言解除後公開された作品という結果になった。

ハリウッド大作の公開が軒並み延期になるなか、大健闘を見せた『TENET テネット』
ハリウッド大作の公開が軒並み延期になるなか、大健闘を見せた『TENET テネット』『TENET テネット』ダウンロード販売中、デジタルレンタル中/Blu-ray&DVD発売・レンタル中[c]2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

一方で外国映画の4作品は、2019年12月に公開された『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(19)が73億2000万円、非英語作品として史上初めてアカデミー賞作品賞に輝いた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(19)が47億4000万円で続き、下半期に公開された数少ないハリウッド大作の一つとなったクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』が27億3000万円と大健闘。
アメリカをはじめ、多くの国々ではいまなお映画館の休業が続いており、ハリウッドのメジャー大作は軒並み公開が延期になっている。その影響が日本の映画興行にも大きな打撃を与えていることがうかがえる一方で、外国映画の公開本数は2019年の589本から13.2%減の511本。2019年の689本から506本と、26.6%減少した日本映画よりも減少率は低く抑えられた。2005年以来、15年ぶりに外国映画の公開本数が日本映画のそれを上回ったことも、トピックの一つと言えるだろう。

アカデミー賞作品賞を受賞し、コロナ禍前に大ヒットを記録した『パラサイト 半地下の家族』
アカデミー賞作品賞を受賞し、コロナ禍前に大ヒットを記録した『パラサイト 半地下の家族』[c]2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

昨年11月に急逝した岡田裕介前会長のあとを継ぎ、日本映画製作者連盟会長に就任した島谷能成会長は「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で、数多くの映画が公開を延期する事態となり、なかには今後の公開の目処が立たない映画も見受けられ、配給者も苦境に立たされました」と振り返りながら、下半期に公開されたヒット作のタイトルを複数挙げ「多くのお客様の指示を得た作品にも恵まれ、コロナ禍の隘路の中にありながら一筋の光明が見えてきました」とコメント。

昨年5月4日に専門家会議が発表した「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」のガイドラインに基づき、映画館では場内換気の基準を厳守しながら5月中旬より営業を再開。入場時の検温や、座席数を間引いてのチケット販売、また館内での飲食の制限など、来場者と映画館スタッフが一丸となって感染対策に注力した結果、現時点で映画館を起因とするクラスターなどは確認されていない。
島谷会長は「未だ余談を許さない状況下ではございますが、沈静化に向けては引き続きご尽力をくださりますよう、重ねてお願いいたします」と呼びかけた。なお、日本映画製作者連盟加盟4社(東宝・松竹・東映・KADOKAWA)の代表による「昨年度の総括」と「今年度の展望」は、後日記者会見が行われる見込み。

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