ついに明かされる『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』の深層…高橋栄樹監督が読者の疑問に次々回答|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
MENU

インタビュー 2021/3/7 18:00

ついに明かされる『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』の深層…高橋栄樹監督が読者の疑問に次々回答

2016年4月に「サイレントマジョリティー」でデビューを飾り、社会現象と言える人気を誇りながらも昨年夏に突如として改名を発表し、5年間の活動に一つのピリオドを打った欅坂46。そんな彼女たちの活動の裏側に密着した初のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が、Blu-ray&DVDとして発売中だ。

欅坂46ファン必携の永久保存版!コンプリートBOXには90分以上の秘蔵映像が収められた『OUTTAKE』も
欅坂46ファン必携の永久保存版!コンプリートBOXには90分以上の秘蔵映像が収められた『OUTTAKE』も[c]2020「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46」製作委員会

MOVIE WALKER PRESSではこの発売にあわせてTwitterにてユーザーから質問を募り、本作でメガホンをとった高橋栄樹監督ご本人に答えてもらう“AMA”(=Ask Me Anythingの略。ネットスラング風に言うと「高橋栄樹だけど、なにか質問ある?」といった意味)を実施。ファンの間で賛否両論を巻き起こした本作の構成についてはもちろん、作品に込めた想いやドキュメンタリー映画として目指したものなど読者の疑問に対し、およそ1万字にわたって答えてもらった。
なお、今回の企画に寄せられた質問の数は173件。取材にあたり質問は厳選させていただいたが、「ファンの方からの意見すべてと向き合いたい」という高橋監督の意向に添い、取材後には寄せられた173件をそのままの形でお渡しした。

現在発売中のBlu-ray&DVDのなかでも、完全生産限定盤となる4枚組のコンプリートBOXには本編ディスクのほか、劇中に象徴的に登場する3曲のライブ映像のフルバージョンや公開前日に行われた前夜祭イベントの模様、劇中には収まりきらなかったメンバーインタビューのロングバージョン、さらには90分を超える秘蔵映像が収められたもう一つのドキュメント『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』OUTTAKEまでが、3枚の特典ディスクにわたって収録された永久保存版となった。

数々のミュージックビデオやドキュメンタリー映画を手掛けてきた高橋栄樹監督
数々のミュージックビデオやドキュメンタリー映画を手掛けてきた高橋栄樹監督

映像ディレクターとして、THE YELLOW MONKEYをはじめ数多くのアーティストのミュージックビデオを手掛けてきた高橋監督は、村上淳主演の『trancemission』(99)で映画監督デビュー。その後もドキュメンタリー映画やドラマ、ミュージックビデオ、CMなど様々な映像作品を制作している。なかでもAKB48に関しては、「大声ダイヤモンド」や「ポニーテールとシュシュ」から現在に至るまで、ヒット曲のミュージックビデオは高橋監督が手掛けたものばかり。その縁もあり、2012年に公開された『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』以降は、AKB48のドキュメンタリー映画を3作連続で監督している。

「なぜ時系列をごっちゃにしたのでしょうか?よく知らずに観ている人が誤解をする作りだったように感じました」(40歳代・女性)

「ドキュメンタリー映画で、時系列通りに進む作品というのはあまり多くありません。もちろん欅坂46のファンの方にとっては、彼女たちと一緒に歩んできた道のりがあり、それが深く心に刻まれていることと思います。ですが、劇場で公開する映画として考えた時には、欅坂46についてよくご存じない方にもご覧いただけるものにする必要があります。5年間の歴史を時系列通りに並べ、予備知識を持たない方々にメンバーの顔と名前を把握しながら共に歩んでもらうことは、2時間強という時間のなかでは不可能に等しいと考えます。
例えば劇中で、小池美波さんが『二人セゾン』を踊っている印象が強いうちに、9thシングルで選抜に入れなかったというエピソードを出さなければ、彼女の感情の流れが見えてこない。そういった作劇上のつながりを優先させたので、時間軸をともに歩んできた人からすれば違和感を覚えてしまうことでしょう。でも逆に言えば、時間軸通りでは次にどんな出来事があるかわかってしまっているから、映画としては予定調和なものにしかならない。時間軸を大切にされている方を蔑ろにするつもりはありませんが、一本の映画にした時にこれまでと違う角度で観てもらえたらと思って作りました。
『黒い羊』を最後のパートに持っていったことも同じ理由で、素材をいただいた時に平手友梨奈さんに寄り添うメンバーがいるなかで鈴本美愉さんが偶然あの場所に立っている、とても印象の強い映像があったというのが大きな理由です。これはメンバーと平手さんとの関係を、もっとも象徴していると感じて、中間に入れるより平手さんのラストシーンとしたほうが良いと考えたんです。そのようにして時間軸が動いていきました」

「メンバーのインタビューは、全員に行なっていないのですか?DVD、Blu-rayでの特典でも一期生、二期生の数人が収録されていなかったので何故だか知りたいです」(20歳代・男性)

特典映像には本編に収まりきらなかったメンバーインタビューロングバージョンも収録
特典映像には本編に収まりきらなかったメンバーインタビューロングバージョンも収録[c]2020「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46」製作委員会

「撮影当時、欅坂46のメンバーは20人前後いらっしゃいましたが、映画としての方向性を決めるうえで、申し訳ないと思いながらもインタビューを撮らない方が出てきてしまった。仮に全員のインタビューを入れることでメンバーを紹介することができたとしても、映画としてグループのなにを軸に描きたいのかが不明瞭になってしまう。これはAKB48のドキュメンタリーを作っていた時から同じ考え方としてあります。
でも、数年前にタイで製作されたBNK48のドキュメンタリー映画『BNK48:Girls Don’t Cry』のように、メンバー全員のインタビューをメインに構成した作品があることも承知しています。あのような発想があるのかと驚かされた部分もあり、どちらが正しいというわけではありませんが、僕自身の方法論としてはある程度の取捨選択をさせていただかざるを得ないのです。しかし、インタビューされなかったメンバーのファンの方の気持ちを考えると、正直つらい部分はあります」

関連作品