「役の人生に責任を持ちたい」井之脇海が見つめる、役者としての“欲深さ”|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「役の人生に責任を持ちたい」井之脇海が見つめる、役者としての“欲深さ”

インタビュー

「役の人生に責任を持ちたい」井之脇海が見つめる、役者としての“欲深さ”

子役からスタートし、緩急自在の演技で、いまや映画やドラマに引っ張りだことなった個性派俳優の井之脇海。先日惜しまれつつ最終回を迎えた長瀬智也主演のテレビドラマ「俺の家の話」では、15kgも増量して挑んだプロレスラーのプリティ原役が話題を呼んだ。
そんな井之脇の最新出演映画は中川⼤志と⽯井杏奈がW主演を務めた『砕け散るところを⾒せてあげる』(公開中)で、主人公の親友となる田丸玄悟役を好演している。本人を直撃すると、役者業について「僕たちの仕事は、役の人生に責任を持つこと」と語ってくれた。

⽵宮ゆゆこの同名⼩説を原作に、『うさぎドロップ』(11)のSABU監督がメガホンをとった本作。平凡な⽇々を送る濱⽥清澄(中川大志)はある⽇、学年⼀の嫌われ者と呼ばれる孤独な少⼥、蔵本玻璃(石井杏奈)に出会う。玻璃は救いの⼿を差し伸べてくれる清澄に徐々に⼼を開くようになるが、彼⼥には誰にも⾔えない秘密があった…。

平凡な⽇々を送る濱⽥清澄(中川大志)はある⽇、学年⼀の嫌われ者と呼ばれる孤独な少⼥・蔵本玻璃(石井杏奈)に出会う
平凡な⽇々を送る濱⽥清澄(中川大志)はある⽇、学年⼀の嫌われ者と呼ばれる孤独な少⼥・蔵本玻璃(石井杏奈)に出会う[c]2020 映画「砕け散るところを見せてあげる」製作委員会

その秘密に気づき始めた清澄に恐るべき危険が迫り、友⼈の⽥丸(井之脇海)や尾崎姉妹(松井愛莉・清原果耶)も⼼配するなか、物語は予測できない衝撃の展開を⾒せていく。この物語は、ラブストーリーなのか、サスペンスなのか…。ラストは、世代を超えた壮⼤な愛に包まれる。

「最初に原作を読ませていただいた時は、竹宮先生独特の言葉に、疾走感があるなと思いました。台本では、すべてを想像しきれなかったのですが、完成した映画を観たら、すごく勢いのある作品になっていました。本作は、清澄が玻璃のヒーローでありたいと思う愛の物語だと僕は捉えましたが、映画はそこがさらにグッと凝縮されていた気がしました。僕が言うのもおこがましいのですが、怖いお父さん役を演じた堤真一さんが適役だと思いました。様々な人物の愛が詰まった作品になったと思います」。


井之脇は、清澄の親友である田丸玄悟役を好演する
井之脇は、清澄の親友である田丸玄悟役を好演する[c]2020 映画「砕け散るところを見せてあげる」製作委員会

清澄の親友、田丸玄悟役を演じた井之脇は、清澄との熱い友情を体現。SABU監督からは田丸役について「清澄はクラスで仲のいい何人かとつるけど、そのなかでも田丸は清澄にとって心休まる存在で、彼の帰るべき場所であってほしい」とリクエストされた。「田丸は清澄のことを一番わかっているから、意識しないところで、心の支えになるような存在にしたいと思いました」。

中川演じる清澄の魅力については「人間臭いところと強さ」だと捉えた。
「たぶん誰もが愛する人を守りたいとか、この人に役に立ちたい、この人を助けたいといった想いを抱くと思うのですが、それは大げさに言えば、“愛”なんだと思います。そういう強い気持ちは、多感な学生時代のころのほうが抱きやすく、年を重ねていくにつれ、忘れてしまいがちです。でも清澄は、そういう人間の根本にある愛への欲求を包み隠さず、ちゃんと発信できる強い人間だなと思いました」。


衝撃作に込められたメッセージを読み解く…『砕け散るところを見せてあげる』特集
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