奥深いストーリーにSNSによる“リアル絡み”…タイBLドラマ「2gether」にハマる理由をひも解く！

シリーズ累計の総視聴回数が8億2100万回を突破し、日本でもハマる人が続出するなど、昨今の“タイBLドラマ”ブームを象徴する作品とも言われる「2gether the series」。本国タイはもちろん、Twitter 世界トレンド1位を記録するなど世界的な人気を誇る本作の劇場作品『2gether THE MOVIE』が現在公開中だ。そこで今回、この作品のどこに大勢が惹きつけられているのか？その理由を紐解いていきたいと思う。

疑似恋愛から始まる“真実の愛”

先述の通り「2gether」は、BL(ボーイズラブ)、つまり男性同士の“運命の出会い”から始まる恋を、王道かつコミカルに描いた作品だ。タイは性的マイノリティに対しての認識が進んだ国であり、男性同士の恋愛を取り扱う作品も非常にポピュラー。数多くのBL作品があることから、ファンの間で「タイBL」という名称で親しまれてきた。

本作でメインとなるのは、ものすごくイケメンなのに他人に対してどこかそっけないサラワット(ブライト)と、女の子が大好きでノリがよく、ちょっと無神経なタイン(ウィン)。性格が正反対のふたりの物語は、大学に入学したところから始まる。

「女の子にモテモテになりたい！」とバラ色の学園生活を夢見るタインは、ある日、彼に一目惚れした同級生の男子、グリーン(ガン)に告白され、猛アプローチを受けてしまう。まったく引き下がる様子を見せないグリーンに困り果てたタインは、最後の手段として“ニセの彼氏”を作ることに。そこで白羽の矢が立ったのが大学一のモテ男、サラワット。しかし、彼の態度はそっけなく、なかなかOKしてくれない。そこには、サラワットが内に秘めたある理由があった。

硬派で一見すると不愛想なサラワットと、天真爛漫なタイン。そんなふたりの心のすれ違いにハラハラしたり、キュンキュンしたり…。思いがけない展開にも感動させられる。

サブキャラたちの恋愛模様や珠玉の音楽もたまらない！

出会った当初から衝突を繰り返すサラワットとタイン。物語が進むにつれてふたりの心の距離は縮まり、サラワットの秘密が暴かれる時、これまでの彼の行動理由、散りばめられていた布石の数々に気づかされる。繰り返し観ることで違う楽しさを感じることができ、何度も彼らの世界に浸りたくなる、その奥深さにとにかく夢中になってしまう。

このサラワットとタインの恋の行方が大勢の心を鷲掴みにしているのは言わずもがな、彼らを囲う個性豊かなサブキャラクターたちの恋愛模様も見どころだ。サラワットの親友や兄想いな弟、タインにちょっかいを出す先輩に過保護すぎる兄など、キャラクターそれぞれに紆余曲折なストーリーがあり、それら一つ一つが濃密で、グッと心に突き刺さってくる。

作品をドラマチックに彩り、盛り上げている音楽も大事な要素。担当しているのは、タイの人気バンド、Scrubb(スクラブ)で、原作小説の作者であるジッティレインは、もともとScrubbの熱烈なファンだったという。物語は彼らの曲にインスパイアされて生まれたそうで、数多くの名曲が毎回、ドラマのハイライトに効果的に使われており、その歌詞との親和性に思わず涙を誘われる。